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Interview with ローラ・イスラエル “インタビュー嫌い”の巨匠ロバート・フランクを追った
ドキュメンタリー映画完成。監督を直撃!!
取材・文/村尾泰郎
撮影/天田 輔

ローラ・イスラエル

INTERVIEW
INFORMATION


 1958年に出版した写真集「The Americans」で注目を集めたアメリカを代表する写真家、ロバート・フランク。ジャック・ケルアックをはじめとするビート・ジェネレーションの作家たちや、ドキュメンタリーを撮ったローリング・ストーンズなど、ロバート・フランクは時代を代表するアウトサイダーたちと交流しながら数々の名作を残してきた。写真家としてはもはや伝説的な存在だが、92歳の現在でも現役で活動中だ。
 そんな彼の生きざまを追ったドキュメンタリー映画が『Don't Blink ロバート・フランクの写した時代』だ。監督のローラ・イスラエルは、長きに渡ってロバート・フランクの映像作品の編集に協力してきた映像作家。ロバート・フランクとは一体どんな男なのか。監督自身が映画制作を通じて知ったロバート・フランクの魅力、そして本作の見どころなどを語ってくれた。

──ロバート・フランクは取材嫌いで知られていますが、どうやってこの映画に彼を引き込んだのでしょうか?
 
「じつは私が企画したのではなく、ある人に持ちかけられたの。で、『なんとかフランクを説得してほしい』と頼まれたのだけど、正直、私は難しいと思っていた。それでロバートに『こういう話があるけどダメだよね?』と話をしたら、やはり彼は『あんまりいいアイデアじゃないね』と。でも、その後、私が帰ろうとした時に『さっきの話、もしかしたら良いアイデアかもしれないから、明日もう一度来てくれないか』と言われたの。それで翌日、彼を訪ねたら『来週から撮ろう』ってことになった」
 
──何が彼をその気にさせたんだと思います?
 
「タイミングがよかったんだと思う。ちょうど、彼がこういう作品を作ってもいいかな、と思っているところに、よく知っている私が話を持ちかけてきた。もうひとつは“撮影のクルーは私を入れて3人だけでやるつもり”と言ったのも良かったと思う。後で知ったんだけど、じつは彼もそうやってローリング・ストーンズを説得したのよ。実際、『コックサッカー・ブルース』(ロバート・フランクが監督したローリング・ストーンズのドキュメンタリー)のときは、彼とデニス・シーモアの2人だけで撮ってたわね」
 
──カメラを向けた時、彼は素直に被写体になってくれましたか?
 
「基本的にいつも通りの彼でした。ただし、絶対に撮り直しはさせてくれないの。何かを撮り逃して『もう一回やって』ってお願いしても『俺は役者じゃないからやらないよ』って。『コックサッカー・ブルース』をプロジェクターで壁に映し出しながらロバートにインタビューした時は『こういうやり方は最悪だ』って言い出して、『わかったわ、やめましょう』と言ってカメラを切ったの。そのシーンは映画でも使ってるけど、じつはカメラを切った後、みんなで爆笑してたのよ(笑)」

Photo of Robert Frank by Lisa Rinzler, copyright Assemblage Films LLC

「あのシーンの撮影はキツかった…」
死別した二人の子供にも言及


──気難しいようでおおらかだったり、タフなようで繊細だったり。彼がそんな両極端の性格を持ち合わせた人物であることが、映画から伝わってきました。
 
「そういう人なの。最初は気難しい人かな、と思うけど、ちょっとダークなユーモアの持ち主で……」
 
──とっつきにくい感じの人なのでしょうか。
 
「人間に対する直感が鋭い人で、寛大に接する時もあれば、そっぽを向いてしまう時もある。人と会った瞬間に自分に合うかどうかピンとくるらしくて。映画でも言ってるけど、道路の真ん中を歩いている人より端っこを歩いている人が好きみたい」
 
──映画はそんな彼の複雑なパーソナリティを反映させたようなユニークな構成になっていますね。時系列に追っていくのではなく、いろんな視点が交差しています。
 
「彼のキャラクターが伝わってくる映画にしたかったの。だから、時系列に進めていくのではなく、その時々に彼がこだわっていたテーマを並べていった。車で旅をするのと同じで、ただ真っ直ぐに進むのではなく、曲がったり止まったり。メインロードから離れて、また戻ってきたりするような構成にした」
 
──映画のなかでフランクが、亡くなった子供たちのことを語るデリケートなシーンがありましたが、カメラを向けにくかったのでは?
 
「あのシーンの撮影がいちばんキツかった。気づいたかもしれないけど、彼が子供のことを語っているときのシーンのほとんどで、彼の作品を見せていたの。なぜかというと、彼の気持ちをいちばん表現しているのは彼の作品だと思ったから。そこがある意味、羨ましいところでもあるのだけど、フランクは自分の作品を通じて自分の気持ちをオープンに語ることができる人なのよね」
 
──映画ではフランクの写真や映像作品を数多く紹介しています。彼の作品を映画のなかで紹介する際に心がけたことはありますか?
 
「撮影監督に頼んだのは、ロバートの作品を撮る時は、コピーをとるように撮影しないでほしいということ。オリジナルと少しは違うけれど違いすぎず、映画全体のなかに溶け込むようにしたかったから。何度もテストをして、方向性を確認しながら撮影した」

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