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Interview with マイケル・リーグ(Snarky Puppy) “3度目のグラミー獲得”直後の本人が語った
スナーキー・パピー14年目の真実
前編
取材・文/林 剛
撮影/古賀 恒雄

マイケル・リーグ(Snarky Puppy)

INTERVIEW
INFORMATION

 メトロポール・オーケストラとの共演作『Sylva』(2015年)に続いて、8年ぶりのスタジオ録音作『Culcha Vulcha』(2016年)が過日の第59回グラミー賞で「ベスト・コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム」を受賞。2年連続で同部門の栄冠に輝き、3度目のグラミー・ウィナーとなったスナーキー・パピーの快進撃が止まらない。バンドの首謀者でベーシストのマイケル・リーグに、来日公演のタイミングで話を訊いた。

——デビューから10年以上経ちますが、近年のグラミー受賞によって、あなたたちを取り巻く環境が大きく変わったのでは?

「音楽的な変化はまったくないけど、周囲の環境がものすごく変わってきたよ。人々が自分たちを見る目とか、待遇面が良くなったりとか、そういう意味では良い方向に変化している。でも、個人的にはそれって悲しいことでもあるんだ。受賞したことでバンドが変わったわけではなくて、もともといいバンドなのに……って言いたくなってしまう。とはいえ、自分たちの音楽を聴いたことがなかった人が聴いてくれたり、違う聴き方で楽しんでもらえるようになったことには感謝しているよ」

——一昨年のアルバム『Sylva』はインパルスからのリリースでしたが、それ以外の作品はあなたが主宰するグラウンドアップからのリリースですよね?

「『Sylva』だけがグラウンドアップと関係ない唯一のメジャー作品だね。『Culcha Vulcha』に関してはユニバーサルがグラウンドアップをディストリビューションしていて、(『Family Dinner Volume One』などを配給した)ローパドープも同じだね。グラウンドアップは自分が作った子供のようなレーベルで、自分が抱えているアーティストが最適な形で作品を発表できるようなプラットフォームのようなものだと考えている。メジャーのレーベルだろうが、どこの配給だろうが、アーティストが自分のやりたいように作品を作れる環境を整えてあげることが、いちばんの役目だと思っているんだ」

——グラウンドアップからは昨年、『Family Dinner Volume Two』にも参加していたベッカ・スティーヴンスや、デイヴィッド・クロスビーの新作を出しましたね

「『Family Dinner Volume Two』に参加してもらったアーティストも以前から自分が大好きな人たちばかりで、デイヴィッド・クロスビーなんて1歳の頃から聴いていたような人だったからね。フォーク・ミュージックに色彩とか質感を加えた重要人物。ベッカはポップ・ミュージック、と言ってもブルーノ・マーズなんかとは違ったそれだけど、ポップっぽいアクセスがある音楽をやっていて、自分はそういう音楽を聴きながら育ってきたので、彼らの作品をリリースすることは自然なことだったんだ」

——それらの作品に、あなたはプロデューサーとして関わっていますが、それはあなたの新たなステップと考えてよいのでしょうか?

「どんな作品であれ、アーティストと密接に関わっていればシェアするものや学んだりするものが多くなるよね。でも、自分の場合は14歳の頃から曲を書いたり、歌ったり、ギターを弾いたりしてきたから、新たに始めたのではなく、プロデュースに関しても単にその延長でやったという感じなんだ。だからプロデュースといっても特に目新しいことをやったわけではない。『Family Dinner Volume Two』に参加してもらったサリフ・ケイタも、アフリカ音楽をポップな世界に持っていった人だし、ローラ・マヴーラもポップ・ミュージックをもっと深いものにしていったように、自分もジャズの世界ではポップな存在だと思っているんだよね」



——今回、グラミーを獲得したアルバム『Culcha Vulcha』は、インドやブラジルでの体験が反映されていたり、アメリカ以外の音楽も視野に入れていました。そうなると、Jafunkadansion(ジャズ+ファンク+ダンス+フュージョンを合成した造語)なるキャッチコピーでは不十分ですよね?

「あの言葉はジョークなんだ(笑)。どこかのクリニックで自分たちの音楽がどういうジャンルなのか質問されて、ネイト(・ワース)が咄嗟にそう答えたんだ。あれはノリで言っただけで本意ではない。で、『Culcha Vulcha』に関しては他のアルバムとそこまでの違いはないと思うよ。ただ、ライブアルバムと違って、スタジオで録ることによっていろいろな音を重ねて重厚感が出たし、表現方法が豊かになった。もちろん、いろんな国に旅してパフォーマンスをした経験も音に表れているよ」

後編に続く
※後編は5月19日(金)に公開予定です。

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