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Interview with 沖野修也/KYOTO JAZZ SEXTET 人種も国籍も世代も超えた“UNITYな新作” 取材・文/熊谷美広
写真/吉永祐介 (solla Inc.)

沖野修也/KYOTO JAZZ SEXTET

INTERVIEW
INFORMATION


――お父さんばりに、ゴリゴリ吹きまくっていますね。

「お父さんっぽいところもありますよね。人間性もすごくいいんですよ。彼のような、これからのジャズを担っていく人材が、KJSを踏み台にして世に出てほしいなという思いもあります。僕がアシッド・ジャズの世代で、メンバーたちはそのひとつ下の世代。で、トモキはそのまたひとつ下の新しいジェネレーションなんですね。同じバンドの中に、3世代のレイヤーができるのも面白いかなって」

――他の2人のゲストは?

「タブ・ゾンビは、僕がやるいろいろなライブで、なぜか“いつもいる人”なんです(笑)。つまり無意識的に彼を選んでいるんですね。じつは今回“ソング・フォー・ユニティ feat.トモキ・サンダース”って曲で、メンバーの類家心平くんとトモキのスケジュールが合わなかったこともあって、タブくんにお願いしたんです。もちろん、彼はたぶん“トモキを潰しにかかる”だろうなということも想定しつつ(笑)。SOIL & "PIMP" SESSIONSのフロントを張ってるプライドもあるから『悪いけど、このセッション、オレがいただくよ』という感じで、相乗効果も期待できるはずだ、と(笑)」



――ボーカリストのナヴァーシャ・デイヤについては?

「彼女は、かつてFertile Groundというグループで歌っていて、すごく好きなボーカリストなんです。もっと世に紹介したいという思いもあったし、彼女の能力は、こういったジャズのバンドでも活かせることができると感じて起用しました。ちなみに彼女のことは以前からよく知っていたんですけどね、最近、世間話をしていて、驚きの事実を聞かされまして」

――どんな話ですか? 

「彼女が『私の叔父も音楽をやってたの』って言うんです。誰? って訊いたら、ギル・スコット・ヘロンだって」

――ええー⁉︎ すごい‼︎

「それ、もっと早く言ってよ! って(笑)」

――ファラオとギル・スコット・ヘロンの遺伝子が……そう考えると、なんかすごいアルバムですね。ところで本作は、完全アナログ録音というのも大きな特徴です。これは前作から一貫している部分でもありますね。

「そうですね、ただ、僕はアナログを盲目的に信仰しているわけじゃないんです。レコーディングからマスタリング、カッティングまで、すべてのプロセスに一切デジタルを介さず、最初から最後まで全部アナログでやってみたら、どういう音になるのか? これを実際にやってる人って、ほとんどいないと思うんです。あとKyoto Jazz Massiveは、打ち込みだから、気が済むまで何度でも直せますけど、KJSまったく直せないという、その両方の音楽をやっているという面白さもありますね」

――そうしたハード面に加えて、本作が持つ“メッセージ性”も気になるところです。

「そこは曲のタイトルにも表れています。このアルバムで表現したかったのは、人種や国籍、性別や世代や考え方も違う人が集まって、音楽を作ることの素晴らしさ。さらに、その演奏を聴く喜び。そこが伝わると嬉しいですね。どうして『UNITY』というタイトルになったのか? は、そのサウンドを聴けば、きっと理解していただけると思います」

――こうして2枚のアルバム制作を経て、今後のKYOTO JAZZ SEXTETの方向性などは見えましたか?

「さらに“和"の方向に進むと思います。琴とか尺八のような和楽器を入れるのも面白いと思うんですよ。これは“和風にする”ってことではなくて、あくまでも“現在進行形のジャズ”を魅力的に奏でるための楽器として導入する、ということです」

――とはいえ、まずは今回のアルバムにちなんだライブも控えています。一発録りで封じ込めたあの楽曲たちが、ライブでどう解き放たれるのか、非常に楽しみです。何しろ、今回のインタビューで、沖野ジャパンの巧みなゲーム運びと、魅せる個人技、さらに得点力の高さも判明しましたからね。

「ありがとうございます(笑)。すでにフジロックフェスティバルやビルボードライブでのライブが控えていますので、まずはそこで“沖野ジャパン”の本領を発揮しますよ。楽しみにしていてください」





『UNITY』Album Trailer



【ライブ情報】
ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10587&shop=1


【作品情報】

KYOTO JAZZ SEXTET『UNITY』
http://www.universal-music.co.jp/kyoto-jazz-sextet/

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