Arban

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REVIEW
INFORMATION

中村恭士

A Lifetime Treasure

LABEL
澤野工房
RELEASE
2016.09.23
 ニューヨークを拠点とする気鋭、中村恭士のリーダー作が遂に登場した。ぼくはマイロン・ウォルデンの『モメンタム』(2009年リリース)で初めて彼の名前を意識し、骨太で堅実なプレイに爽快感を覚えた。今回の新作でもベースの頼もしさに浸ることができる。
 共演者が、またいい。ピアノのローレンス・フィールズは去る10月にクリスチャン・スコットのバンドで来日したばかり、ジョー・ロヴァーノの許でも活動する逸材だ。ドラムスのクラレンス・ペンは90年代から第一線に立つベテランで、マリア・シュナイダー・オーケストラでの演奏がよく知られていよう(中村は彼のバンド“ペン・ステーション”の一員でもある)。
 「But Beautiful」では旋律を奏でるものの、基本的には“バッキングにまわったときの凄み”を満喫させてくれるのが本作におけるベースの役割だ。そして3人は「Stablemates」「Naima」といったカヴァー曲でハーモニーやリズムを小気味よく解体し、オリジナル曲ではメロディアスに、ときに50~60年代のモダン・ジャズを念頭においたかのようにスウィングする。録音も実に生々しい。

 
文:原田和典

■澤野工房

http://www.jazz-sawano.com/products_448-2-1.html

TRACK LIST

1. On My Way
2. Stablemates
3. A Lifetime Treasure
4. But Beautiful
5. Viva o Rio de Janeiro
6. Stella by Starlight
7. When Mr.Gut Says
8. Naima
9. Burden Hand (Bird in the Hand)
10. Language of Flowers
11. Yasugaloo
12. The Nearness of You