ドイツの研究機関「マックス・プランク認知神経科学研究所(MPICBS)」は、30人のピアニストを対象に、ジャズとクラシックのピアノ演奏における“脳波の違い”を検証。その研究結果が医療関連の専門誌「Medical Xpress」に掲載された。
被験者はジャズピアニスト15人とクラシックのピアノ奏者15人。双方ともプロレベルにある演奏者を揃えた。実験は「スクリーンに映ったピアニストの演奏を再現する」というもので、結果、ジャズ奏者たちは素早く反応・修正をおこなえることが判明。一方、クラシック奏者たちは、コードを追う際、わずかな運指ミスがあり、ジャズ奏者たちよりも慎重に演奏する傾向にあることがわかった。また、音を修正する際の反応速度はジャズ・ピアニストは約0.4秒、クラシック・ピアニストは約0.6秒を要するという結果も出ている。
同誌の記述によれば「クラシック奏者は“次をどう弾くか”や、“完璧に弾く”ことに集中しているため、運指の選択が極めて重要になる。対してジャズ奏者は、常に“即興”に備えており、予想外のハーモニーと自分の演奏をどう結びつけるかに集中している」とし、「興味深いことに、予想外のコードへの反応はジャズ奏者の方が早いが、予想外の“運指”に対してはクラシック奏者の方がうまく演奏をする」という。
「Medical Xpress」で発表されたレポート
https://medicalxpress.com/news/2018-01-miles-davis-mozart-brains-jazz.html