MENU
洗練されたインテリアの一部として部屋に溶け込むワイヤレススピーカー「Beoplay A9mkⅡ」。2012年の発売当初から高い人気を誇るモデルが、近年さらにアップデートされ、注目を集めている。その「スピーカーとは思えない筐体」から、果たしてどんな音が飛び出すのか。二子玉川(東京都世田谷区)にあるバング&オルフセンのショールームからリポート。
“素材感”へのこだわり
今回紹介するのは、バング&オルフセンのスピーカー「Beoplay A9 mkⅡ」。アンプ不要でWifi/Bluetooth対応という、レイアウトフリーなスペック。しかも抜群のルックス。もちろん、高級オーディオに匹敵する“サウンド的な実力”も持ち合わせている。同機について、バング&オルフセンPR担当の阿部氏と、セールスマネージャーの鈴木氏に話を聞いた。
——まずはこの製品の概要から教えてください。
鈴木 本製品は2012年に発売されたアンプ内蔵スピーカー「A9」の第二世代モデルとなります。この「Beoplay A9 mkⅡ」は新たに周波数帯(5GHz帯)が増え、Bluetoothにも対応しています。
——フォルムも斬新です。
阿部 デザインを担当したのは、家具や照明などのプロダクトデザインを手がけるデンマーク人デザイナーのオイヴィン・スロット。彼が語ったところによると「円は平和と柔らかさの象徴である」と。
——カラーリングや質感も独特ですよね。
阿部 ボディの色はブラックとホワイトの2種類があって、それぞれ木製の脚をバーチ材とオーク材で使い分けています。筐体の裏側や側面まで、デザインには気を配っています。
——表面のメッシュカバーは、別売りのものに交換できるんですね。
阿部 お好きな色や柄を楽しむことができます。バング&オルフセンの正規品として6つのカラーバリエーションを用意しています。さらに、クヴァドラ社(デンマークのテキスタイルメーカー)の生地を採用したシリーズが4色。クヴァドラ社はヨーロッパを中心に高い評価を得ているテキスタイル会社で、ファッションデザイナーのラフ・シモンズも好んで使うテキスタイルメーカーなんですよ。
——つまり、カバーは全部で10種類。設置する部屋の雰囲気やインテリアにフィットさせる配慮も万全ですね。とはいえ、カバーを外しても見栄えがいいですよ。表面は「トロコロイド曲線」のような幾何学模様があしらわれています。
鈴木 デザイナーのこだわりで、ドット状の凹凸が放射状に広がるようにデザインしています。これは音の広がりを視覚的に伝えるだけではなく、放熱という機能性も担っているんです。それではさっそく、Bluetooth接続してお好きな曲を聞いてみてください。
形状からは想像できない音圧&定位感
用意していたプレイリストから、セロニアス・モンクの「Well, You Needn’t」(1944年)と、パット・メセニー・グループの「Roots of Coincidence」(1997年)を続けて再生してみる。モンクは比較的フラットな印象を受けたが、パット・メセニーを再生したときに、その印象は激変。
RLに別れて設置されたスピーカーに負けない、音の広がりと定位感がある。さらにディストーションギターがドラムとともに盛り上がる部分の迫力も十分だ。大きなリビングルームを模したショールームの隅々までカバーするほど出力も申し分ない。どっしりとしたベースラインとキック音が力強い。続けて再生したサンダーキャットの「A man’s Mail(Tron Song Suite Ⅱ)」(2017年)も、ふくよかなベースラインが心地よい。低音部は過度にエフェクトされた感がなく、あくまでも自然で柔らか……。
阿部 B&Oのカジュアルラインとは言っても、音質面での妥協はしていません。
——直径(約70センチ)に対して、薄い筐体(約20センチ)なのに、低音がしっかり出て、前後左右で定位感もありますね。
鈴木 左右で2つずつ、計4つのツイーターとウーハーを装備しています。このスピーカーの特色として、ヴォーカルものに強いということが挙げられますが、低音もしっかり再現してくれます。バング&オルフセン独自のAdaptive Basse Linearisation という技術によって、音量に合わせて的確かつパワフルな低音を再生します。また、スピーカーの設置場所にあわせてサウンドを最適化する「ルームポジション補正」を搭載していて、これは3つのモードから選ぶことができます。
——具体的にはどんなモード設定になっているのでしょうか?
鈴木 スピーカーの周りに反響する壁がない場合は「フリー」。部屋の隅に設置する場合は「コーナー」。壁に掛けて使用するなど、うしろに壁が1面ある場合は「ウォール」というモードがあります。それぞれで最適な音の指向性が得られるような設定になっています。
——壁に掛けて設置することもできるんですね。加えて、操作方法も自由度が高い。
鈴木 はい。音量の調整は、このようにスピーカー上部に触れて、指先で弧を描くよう左右に動かすだけです。再生や一時停止もタッチセンサーで操作できます。B&O PLAYのラインナップ中で、このモデルが発売以来ずっと支持され、アップグレードされたのは、インテリア性とオーディオファンを納得させる高音質を併せ持っているからだと考えています。
レイアウトフリーでアンプ要らず。なのに高級オーディオに匹敵する豊かなサウンド。一部のピュアオーディオファンからは、そんなの邪道だと言われてしまいそうだが、そもそも音源自体がハイファイでなければ意味のないことだ。デジタル技術の進化とともに可能になったワイヤレスの恩恵を活かしながら、B&Oらしい洗練されたデザイン性と音の実力も兼ね備えた本機。
ますます進行する「音楽」のオーディオファイル化と、日本の住宅事情におけるリスニング環境にフィットするオーディオ機器として、Beoplay A9mk2は、ひとつのベンチマークになり得るだろう。
ワイヤレスミュージックシステム・スピーカー Beoplay A9 mkⅡ 価格269,900(税込)https://www.bang-olufsen.com/ja
寸法:スタンド設置時、直径70.1×高さ90.8×奥行き41.5cm/壁掛け設置時、直径70.1×奥行き21.3 cm 重量:約15 kg(スタンドあり)/14.2 kg(木製スタンドなし) 接続:WiFi, AirPlay, Bluetooth 4.0, Chromecast built-in, DLNA, USB, LAN, ライン入力 別売りオプション:壁掛けブラケット、スピーカーカバー、木製スタンド
バング&オルフセン二子玉川ショールーム
東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット2F
営業時間11:00-19:00 不定休 ☎03-6805-6826
http://stores.bang-olufsen.com/japan/bang-olufsen-futako-tamagawa/