音楽にまつわる言葉を、ブラックユーモアとナンセンスを交えつつ解説した『新 荒唐無稽音楽事典』(平凡社)が2月24日に発売される。本著は、2014年に上梓された私家版『荒唐無稽音楽事典』(焚書舎)に全面的に加筆修正を行い、約100項目の補強をした全1730項目の完全版。著者の高木壮太は、スタジオミュージシャン、バンドミュージシャンとして国内外で活動。著書に『プロ無職入門』(P-Vine Books)がある。
※収録内容を一部抜粋
【X JAPAN】 えっくす-じゃぱん 〔バンド〕
NHKホールには日本最大のパイプオルガンがある。レピッシュのひとが借りに行ったら断られたそうだ。ところがYOSHIKIには簡単に貸した。世の中ヤンキーに優しくサブカルに厳しいという例である。
【セルジュ・ゲンズブール】 Serge Gainsbourg(1928-1991) 〔人物〕
世の女性に「嫌いな男性のタイプは?」と訊くと99%が「不潔なひと」と答える。セルジュ・ゲンズブールは2年くらい風呂に入らず、アルバート・アインシュタインみたいな髪形になって、ぼろぼろの服を着ていたのに、ブリジット・バルドー、アンナ・カリーナ、ジェーン・バーキン、バンブーと絶世の美女に惚れられた。矛盾である。
【ロック】 rock 〔ジャンル〕
リズム&ブルーズやカントリーを元に発達した、大人たちの消費主義や社会への服従に対する若者たちの反抗の表現音楽である。取り仕切っているのはもちろん消費主義の大人たちである。