ジャズ・ピアノの巨匠、セシル・テイラーが、米現地時間3月25日(日)にニューヨークの自宅で亡くなっていたことが報じられた。89歳。現在、死因は明らかにされていない。
1929年、米ニューヨークで生まれたセシルは6歳でピアノ演奏を始め、1950年代にはスウィングやR&Bグループで演奏。1956年には初のリーダー・アルバム『Jazz Advance』をリリースしている。以来、“フリー・ジャズの先駆者”として、革新的な演奏と音楽構成でジャズに新たな可能性を切り拓いたきた。
そのキャリアの中で数々の賞も受賞しており、1975年には米ダウンビート誌の「国際ジャズ名声の殿堂」に選ばれ、1990年には“最も栄誉あるジャズ音楽賞”として知られる「NEA Jazz Master」を受賞。日本では、2013年に科学や芸術の発展に寄与した人物に贈られる「京都賞」を受賞している。
生前の5年間は、数回の公演しかおこなっておらず、2016年に米ニューヨークの「ホイットニー美術館」でおこなわれた記念コンサートが、セシルの生前最後の公式公演となった。
1984年独ミュンヘン公演