投稿日 : 2019.04.29

【ビルボードライブ東京】オールジャンルの音楽ファンを魅了する個性的空間

取材・文/富山英三郎  写真/高瀬竜弥

2018年4月30日の特集記事を再掲

六本木の名所「東京ミッドタウン」内にあるエンターテイメント空間、ビルボードライブ東京。ここは場内が3層構造の立体的な作りになっているのが特徴だ。そのため、席によって見え方が変化する。また、ステージ後方は全面透過ガラスになっており、ライブの前後で都心の夜景が楽しめることも。

ジャズのミュージシャンも出演するが、ビルボードの名を冠していることもあり、AORやソウル/R&B、ロック、J-POPなど多彩。オープンから10年を迎える同店について、担当の角野さんに話を聞いた。

初利用は電話予約がおすすめ

ーー初めて来店される方と、リピーターの方はどのくらいの割合ですか?

「初めての方が4割くらい。この数字はかなりすごいと思います。一方でリピーターというよりも常連さんと言える方々も多いです。ジャンルごとの常連さんがいらして、R&Bのアーティストには毎回必ず来られている方などいろいろです」

ーー常連の方はおひとりで来られるんですか?

「そうですね、おひとりの方が多いです。また、過去に相席になったことがある常連さん同士が仲良くなって、つながりができることもあるようですよ」

ーーお客さんの多くはWEB経由でチケットを買われることが多いのでしょうか。

「ビルボードライブ東京は3F、4F、5Fという構成で場所によって見え方などがかなり変わるんです。なので、フロアを熟知されている方はWEB購入が便利ですが、初めての方は電話予約されるのがおすすめです」

ーー電話予約の利点はどんなところでしょう。

「オペレーターはバンド編成などを考慮して、当日の舞台セッティングを予想することができます。なので、メンバーの誰を中心に見たいかなど、相談しながら決めることができます。また、WEBだとエリア指定はできますが、席をピンポイントで予約することができないんです。さらに、WEBの場合はその場で購入なので、その時点からキャンセル料が発生してしまうんです。電話なら1営業日前の19時までキャンセルが可能です」

ーーそれは素敵な豆知識ですね! 4Fと5Fにあるカジュアルエリア(カウンター席)も指定席ですが、こちらも電話予約可能ですか?

「可能です」

ーー「カジュアルエリア」が、いちばん安く観られる場所ですよね。

「そうですね、チケット代も1500円程度安くて、セルフサービスですがワンドリンク付きです。また、ホットサンドウィッチやチキン&ポテト、オリーブとか生ハムなどの軽食もお楽しみいただけます」

観客同士の心遣いが「場」をつくる

ーー出演アーティストの人選に関して、現場からの声が生かされることもあるのでしょうか。

「お客さまにアンケートをお願いすることもあります。たまに、『アンケートに書いたアーティストが来日した!』と喜んでくださる方もいらっしゃいますよ」

ーー近年はバラエティに富んだラインナップになっていますが、初めて来られる方や認知度を上げたいという思いがあるのでしょうか。

「食事をしながらライブを楽しむという文化を知って欲しいという思いはあります。若い世代の方々にも体験していただいて、ワンランク上の大人の楽しみを知っていただきたい。先ほどもお話にあったカジュアル席なら比較的安価に楽しめるので、若い世代の方々も気軽に体験して欲しいと思っています」

ーーよく盛り上がるジャンルはありますか?

「ファンクは盛り上がりますね。ジョージ・クリントンなどはとくに……胃が痛くなることもありますが(笑)、ほとんどが皆さん常識の範囲内で楽しんでいらっしゃいます。また、毎年出演されるアーティストになると、常連さんが前席を陣取られることが多くて。そういった方たちがうちのレギュレーションを理解してくれて、暗黙の了解で場の雰囲気を作ってくれるんです(笑)」

ーーアイドルのライブみたいですね(笑)。ということは、公演によって雰囲気はガラリと変化すると考えていいですか。

「まったく違います。そこもまた面白いところだと思います」

当日の出演アーティストの看板は、入口手前に設置。記念撮影はここで。

ーー高いお酒や食事が多く出るジャンルなどありますか?

「お客さまの平均年齢によってですかね。アル・マッケイなどはバブル世代のお客さまが多いので、豪快に楽しまれています。セルジオ・メンデスなどブラジル音楽も平均単価が高かったりしますよ。なぜですかね? 理由はわからないです(笑)」

ーーオープンから10年で変化したことはどこでしょう。

「常連のお客様ができたことですね。あとは、テレビの音楽チャートなどで『ビルボード調べ』というテロップが入る機会も増えて、知名度が定着してきたことを感じますね」

  • 店名:ビルボードライブ東京
  • 設立年:2007年8月
  • こけら落としのアーティスト:スティーリー・ダン
  • キャパシティ:約300人
  • チケット価格帯:¥5,000~10,000前後(指定席料金、飲食代、サービス料含まず)
  • 年齢制限:未就学児童の入店は不可。18歳未満は成人の同伴があれば利用可。
  • 喫煙の有無:全席禁煙(喫煙スペース有)
  • 車椅子:可(優先シートを用意)
  • 最寄駅:大江戸線・日比谷線「六本木駅」直結、千代田線「乃木坂駅」徒歩約8分
  • 住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
  • 電話番号(予約センター):03-3405-1133
  • URL:http://billboard-live.com/

※メニューや価格は取材時(2018年4月)のものです。

■フード
ビルボードライブ東京では、ビルボード コースと呼ばれる¥5,400のコースが一番人気。ほかにも、スペシャルコース(¥8,640)も用意されている。メニューは旬の食材に合わせ、年4回のマイナーチェンジが行われる。各種ピザは、自慢のピザ釜で焼かれるので美味。なお、アラカルトはハーフサイズも用意されているので、少しずついろいろな料理を楽しむこともできる。


ビルボード コース ¥5,400
・シェフお薦め3種のアミューズ
・本日のパスタ
・メインディシュ(グランドメニューから選ぶ)
・お薦めスウィーツ
*パン・コーヒーが付きます

定番人気のアラカルトメニュー
バーニャカウダ ¥1,980


マルゲリータ ¥2,220


フライドチキン&ポテト ¥1,380

■ドリンク
ビールやシャンパンはもちろん、オリジナルカクテルやノンアルコール カクテルなど幅広いラインナップ。ワインは定番から自然派まで幅広く揃う。また、メニューには載っていないワインもストックされているので、希望の銘柄などがある際はスタッフに聞くのがおすすめ。


ビール ¥930~、グラスワイン ¥1,130~、グラスシャンパン ¥1,860~、コーヒー ¥720。

※メニューや価格は取材時(2018年4月)のものです。

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