『アナザー・タイム:ザ・ヒルフェルスム・コンサート』のCDリリースが発表され話題となったビル・エヴァンス・トリオ。同トリオに参加していたドラマーのジャック・ディジョネットが、米音楽雑誌『Downbeat』のインタビューで、当時のことについて語った。
オーディションによって同トリオへの参加が決まったというディジョネットは「トリオに参加する前からエヴァンスを知っていたか?」という質問に対し以下のように答えている。
「彼の音楽は知っていたけど個人的に面識はなかった。彼は社交的ではなくて、トリオに居たときもつるんだりはしていなかった。でも彼の音楽は好きだったし、一緒に演奏できたことを誇りに思っているよ」
リズム隊としてのエディ・ゴメス(b)との相性について訊かれると「彼は素晴らしかったよ。何も問題ない。彼とはビルが来る前にレコーディング・デートもしていたし、お互いに親しかったんだ。ビルとのトリオ以来、彼とは何枚ものアルバムを一緒に作ったしね」と当時を振り返った。
1968年当時、ファンクやロック、サイケデリックの流れで時代が大きく変わるなか、ビル・エヴァンスが電子楽器を受け入れなかった点については「アコースティック・ピアノはビルのメイン楽器で彼の声なんだ。彼は最期までそれとともにあったってだけさ」との見解を述べた。
また、同トリオの3作目『アナザー・タイム~』発売についての感想を訊かれると「正直に言うと『サム・アザー・タイム~(2016年)』よりこっちの方が好きなんだ。ドラムの音が良く録れているし、3人のパフォーマンスもよりリラックスしているしね。特にビルのサウンドは素晴らしいし、エディに関しては言うまでもないって感じだね」とし、これら2作以外に秘蔵音源は存在するのか? と訊かれたディジョネットは「いくつかプライベート音源はあるけどクオリティはお粗末なものでね。今回の2作以外にはもう無いんじゃないかな」と答えている。
Downbeatのインタビューはこちらから
http://downbeat.com/news/detail/jack-dejohnette-recalls-stint-in-bill-evans-trio