数々の名匠たちと共演を重ねた名ジャズ・ドラマーとして、またシンガーとしても知られるグラディ・テイトが10月8日に米ニューヨーク・マンハッタンの自宅で亡くなったことが報じられた。享年85歳。現在死因は公表されていない。
これまでドラマーとして数々の名作に参加し、多くのリーダー・アルバムも発表してきたグラディ。ボーカリストとしても高く評価され、1973年と1989年のグラミー賞では「男性ベスト・ポップ・ボーカル」にノミネートされている。
米ノースカロライナ州ダーハムに生まれたグラディ・テイトは、4歳の頃から歌を始め、地元の教会や学校などで注目を集めるが、変声期を迎えた12歳で自身の声変わりにショックを受け一時歌をやめてしまう。一方で、5歳の頃には独学でドラムも始めており、19歳で入隊した空軍で本格的にドラムを学んだ。
俳優を志し、1959年にニューヨークに移ったグラディだったが、ドラマーとしての力量を認められワイルド・ビル・デイヴィスのもとでジャズ・ドラマーとして活動を開始。1962年にはクインシー・ジョーンズ・ビッグバンドに参加し、その後もデューク・エリントン、カウント・ベイシー、ジミー・スミス、ウェス・モンゴメリ、ビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、エラ・フィッツジェラルドなど、多くの大物たちと共演を重ねた。
現在、ジャズ界からグラディの死を慎む多くのコメントが寄せられている。