ダラー・ブランドの名でも知られる、南アフリカのピアニスト、アブドゥーラ・イブラヒムが、自身のインプロヴィゼーション(即興演奏)の秘訣を語った映像が米放送局nprの番組『JAZZ NIGHT IN AMERICA』。
1934年南アフリカ生まれのダラー・ブランドは、アフリカの伝統音楽やゴスペル、モダン・ジャズ、西洋音楽などに影響を受け、初期にはヒュー・マセケラとともにプレイし、1960年代のヨーロッパ在住時にはデューク・エリントンにその才能を見出された。
1970年代にイスラム教改宗を機に「アブドゥーラ・イブラヒム」と改名し、その後残した楽曲は「ケープジャズ」の礎を作り、現在も南アフリカの巨匠として活躍している。
同映像では、アパルトヘイト時代ケープタンの白人エリアに住んでいた自身の若き日を語っており、“即興”と自身の人生を以下の様に語っている。
「アパルトヘイトの真っ只中、クリスマスの朝に警官に銃を突きつけられたんだ。音楽学校への入学も拒否され、独学で勉強した。今ではその学校から名誉博士号をもらっているけどね(笑)」
また、即興について訊いてくる教授たちには「土曜の夜中にギャングが君に迫ってきたら『“即興”(機転を利かす)してみれば良い』と言ってやったよ。それがここでの生き方だし」と語り、自身がクリスマスに警察に連行された時も「“即興”して釈放されたんだ」と語っている。
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