投稿日 : 2018.07.06 更新日 : 2019.03.20
新たなオーディオ環境を創出!肩掛け式のウェアラブルスピーカー「BOSE SOUNDWEAR COMPANION SPEAKER」【ARBAN的オーディオ案内 vol.5】
取材・文/川瀬拓郎 撮影/石井文仁
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ヘッドホンでもイヤホンでもない、肩に掛けるというリスニングスタイルが斬新なウェアラブルスピーカー。ソニーが先行して発売していたが、この新ジャンルにいよいよボーズが加わったことでさらなる注目が集まっている。
今回は3月末に発売されたBOSE SoundWear Companion speaker(以下 Soundwearと略)を体験し、その装着感と音質をリポート。ボーズ製品のすべてを熟知し、開発から発売までの経緯も知るプロダクトマネジメント部部長の大久保氏に話を伺った。
身につけるポータブルスピーカー
——肩に乗せる(首にかける)というリスニングスタイルには、どんな利点があるのでしょうか?
「まず、ヘッドホンやイヤホンは周囲の音を遮ってしまうし、長時間の装着はストレスになります。一方、通常のポータブルスピーカーだと、部屋を移動するたびに持ち運ばなければならないし、その都度、リスニングポジションが変わってしまう。これを解消したのが、このSoundWearです」
——ヘッドセット型でも同様の機構が可能なのでは?
「もちろん可能ですが、やはり長時間の使用を想定すると、耳や頭部に装着するよりも肩掛け式の方がストレスは少ない。それから、耳を覆ってしまうと“話しかけないで”という雰囲気を発しているように見える場合もありますよね」
——なるほど。見た目のスマートさや、外部とのコミュニケーションも追求しているんですね。
「はい。自然な装着感と毎日着けても気にならない軽さにこだわった結果、肩掛け式になりました」
——私も実際に使ってみて、自然な装着感と軽さに驚きました。蹄鉄型(U字型)のボディは想像以上に柔軟で、張りもある。着脱の煩わしさを全く感じませんね。
「本体は、首や肩の形に合わせて自由に調整できる形状固定ワイヤーでカバーしています。シリコン素材がねじれを適度に調整して、首回りにフィットさせる設計になっています。ところで、音はお聴きになりましたか?」
——はい。低音がしっかりしていて深みのあるサウンド。ボリュームをそれほど上げなくても十分な迫力を感じました。
「単純にスピーカーユニットを大型化すれば高出力と高音質が期待できますが、駆動するための電源を確保しなければなりません。つまり、バッテリーも大型化してしまいます。それでは普段身に着けるデバイスとしてはストレスになる。そこで採用されたのがBOSE独自の“ウェーブガイドテクノロジー”です」
——具体的にはどんな機構なのでしょうか?
「簡単にいうと、この湾曲されたネックバンドそのものが、豊かな低音を生み出す装置になってまいます。瓶の飲み口に息を吹きかけると、ぼうっと大きな音を立てますよね? その原理にも似ているのですが、シリコン製ボディの中に2本の管が通っており、管内を通過した音が増幅する現象を利用して、十分な低音を獲得するというものです」
“ウェアラブル”ならではの配慮も多数
——公式ホームページでは、ガーデニングやクッキングなどのシーンとともに紹介されていましたが、個人的には軽めのサイクリングに使いたいと思いました。
「あくまでも屋内での使用を想定した設計なので、激しく首を振るようなアクティビティやスポーツにはおすすめできません。ただし、防汗・防滴仕様なので、少々の汗が滴り落ちたり、濡れた手で操作しても全く問題ありません。汚れた場合は専用カバーを付け替えていただくこともできるので、非常に衛生的です」
——リビングでテレビや映画を鑑賞するのにも使えますか?
「本機は音楽再生に特化した製品なので、テレビ視聴には別途トランスミッターが必要になることと、Bluetooth特有のディレイ(音の遅延)が発生してしまう可能性があるので、その点はご注意ください」
——同じ音源を複数台で聴くこともできるのでしょうか?
「いいえ、1つの音源に対して聴くことができるのは本機1台のみです。ただしBluetooth機器との接続履歴は最大8台まで記憶でき、同時に2台まで接続が可能です。バッテリーの駆動時間は最大12時間なので、ほぼ一日じゅう使用することができです。またクイックチャージによって、15分の充電で約2時間楽しむことができるのも便利な機能です。我々としても、この商品分野はまだ実験段階でもあります。お客様ご自身が新しい使い方を楽しんでいらっしゃるのが嬉しいですね」
実際に使ってみて驚いたのは“音質の良さ”だけではない。“身体の周囲が音に包まれる”という感覚は、これまで体験したないものだった。さらに、プレイ中の本機をテーブルの上に置き、2〜3メートル離れると、さっきまで体感していた音量とはうって変わって小音量。まさに「音を身にまとう」という言葉がぴったりだ。集合住宅などで隣室への音漏れを気にするユーザーに歓迎されている現状も、容易に頷ける。
ちなみに、本体にはマイクも内蔵しているので、SiriやGoogleアシスタントをマイク越しに操作することも可能。装着したまま好きな曲をセレクトしたり、電話の発信もできる。同じく、スマホに着信があれば振動で知らせてくれ、瞬時に通話モードに切り替わる機能も装備している。現在発展中のジャンルだけに、今後は楽器の個人練習など「こんな使い方もできる」という意外な活用法や新しい提案も続々と生まれそうだ。
BOSE SoundWear Companion speaker
価格:3万4,560円/本体:H19×W17.8×D4.4cm/重量:260 g/ワイヤレス通信距離:9 m/バッテリー持続時間:1回3時間の充電で約12時間利用可能
https://www.bose.co.jp/ja_jp/index.html
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