数々の世界的アーティストを輩出してきたニューヨーク・ハーレムの伝説的クラブ「アポロ・シアター」。その歴史を辿るドキュメンタリー映画『The Apollo』が、今春ニューヨークで開催される「トライベッカ映画祭」にて初上映されることが発表された。
1860年代にダンスホールとして設立されたアポロ・シアターは、数々の変遷を経て1934年に黒人エンターテイナーのための劇場へと変貌。アマチュアの登竜門「アマチュアナイト」はあまりにも有名で、これまでエラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイ、ジェームス・ブラウン、サラ・ヴォーン、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダーなど、多くの世界的スターを輩出してきた。
ローリン・ヒル:アマチュアナイトのパフォーマンス
設立85周年を記念して制作された本作は、アポロ・シアターの歴史を綴る貴重なアーカイヴ映像や音楽、コメディやダンス・パフォーマンス、ファレル・ウィリアムスら著名アーティストたちの新たなインタビューとともに構成。
監督を務めるのは、黒人監督として初のアカデミー賞に輝いたロジャー・ロス・ウィリアムズ。ロジャー監督は、アポロ・シアターについて以下のコメントを残している。
「アポロ・シアターは音楽を奏でるためだけの場所ではありません。音楽とアートを通して抑圧から抜け出す手段でもあったのです。アポロ・シアターの歴史は、ブラック・アメリカンたちのアイデンティティの進化の物語であり、いかにして現代における文化的ムーブメントを築いたかを記しています」