投稿日 : 2019.03.08
【 発見!シティポップな海外バンド】イックバル from.インドネシア
文/高橋芳朗
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70〜80年代の日本産シティポップが、いま海外でも注目されている。そんななか、シティポップの“サウンド的な流儀”を継承する、海外ミュージシャンも登場しはじめた。彼らは一体どんな感覚で“昔の日本のポップス”を聴き、自分たちの音楽に採り入れているのか?
日本人アーティストへの楽曲提供も多数
イックバル(Ikkubaru)はインドネシアはバントン出身の4人組。2011年に結成後、2014年にアルバム『Amusement Park』でデビュー。
もろに山下達郎や角松敏生を連想させるサウンドをはじめ、シュガー・ベイブ、キリンジ、tofubeatsらのカヴァーも話題を集めた。現在ではプロデューサーとしても日本のアーティストから引っ張りだこの彼らだが、バンドの中心メンバーであるムハンマド・イクバルの“シティポップ初体験”は山下達郎「Mermaid」(1986)。
お気に入りのシティポップ作品としては安部恭弘「アイリーン」(1984)や、濱田金吾「トロピカル・フィッシュ」(1983)などを挙げ、ギターのカッティングなどのサウンドやコード進行などに大きな魅力を感じたとコメントしている。
90年代には山下達郎を聴いていた
回答者:IQBAL(Vo,Gt,Key)
Q1. シティポップと呼ばれる、日本の70~80年代の音楽をいつどこで知りましたか?
シティポップと呼ばれる音楽を聴いたのは、自分のバンドIkkubaruを始めた時(2012年)だね。けど山下達郎の「Mermaid」は、僕が小さかった90年代には聴いていたんだ。
Q2. どこに魅力を感じましたか?
シンセやベースライン、ドラム、ギターのカッティングなどのサウンドやコード進行、メロディ、明らかに違う日本語のボーカルももちろんね。
Q3. お気に入りのアーティスト名および作品を教えてください
山下達郎「Merry Go Round」(1983)、「Parade」(1994)、「Morning Glory」(1982)
角松敏生「SEA LINE」(1987)、「Step Into The Light」(1984)
秋元薫「Dress Down」(1986)
カルロス・トシキ&オメガトライブ「アクアマリンのままでいて」(1989)「Reiko」(1988)「Navigator」(1986)
濱田金吾「Tropical Fish」(1983)
安部恭弘「アイリーン」(1984)
2011年12月24日、インドネシア・バンドゥンにて結成。メンバーは、Muhammad Iqbal(ボーカル、ギター、キーボード)/Rizki Firdausahlan(ボーカル、ギター)/Muhammad Fauzi Rahman(ベース)/Banon Gilang(ドラム)の4名。80年代の日本のシティポップと呼ばれるジャンルに興味を持ち、自分たちの解釈でインドネシアのシティポップを表現するために活動を開始。すべての楽曲の作詞作曲をフロントマン Muhammad Iqbalが手がけており、バンド名の ikkubaru(イックバル)は iqbal の発音を日本のローマ字表記にしたもの。日本人アーティストへの楽曲提供、リミックス、コラボレーションも精力的に行っている。
Q4. それらの音源はどのように入手しましたか? または現在どうやって入手していますか?
Youtubeだったり、友人からだったり、知り合いが送ってくれたりかな。
Q5. あなたたち以外にも、日本のシティポップ周辺を聞いている人たちは国内に多いですか? それはどういうタイプの人たちですか?
最近ではそうだね。日本のシティポップは僕の国で広まり始めているよ。彼らは日本のアニメのように日本のカルチャーが好きなんだ。
Q6. 日本のシティポップがあなたの音楽制作に影響を及ぼしているとしたら、どんなところでしょうか?
ユニークなサウンドやメロディを与えてくれるところかな。
Ikkubaru『Brighter』
ここ数年のアジア産シティポップ隆盛のひとつの起点であり、そのマスターピースとして君臨するデビュー・アルバム『Amusement Park』の成功を受けての5曲入りEP。永井博が手掛けたアートワークから喚起されるイメージ通りの、夢見心地のアーバン・グルーヴがこれでもとばかりに繰り出されていく。2015年12月リリース。