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【review】 テルアビブ発・ベルリンで開花した次代の才能 — J・ラモッタ・すずめ

現在イスラエルにおける音楽の多様性は、以前の記事でも伝えた通り。いまも多くの新しい才能が開花していて、ジャンル問わず音楽シーンの台風の目となっている。

そんな一連の動きの中で、テルアビブ出身のJ ラモッタ・すずめが日本に紹介されたのが2018年のこと。シンガー/ラッパーであり、作曲も自ら行ない、ポケット・トランペットまでこなすという才媛だ。ボブ・マーリーの音楽で英語を学んだとか、熱狂的なJ・ディラ・フリークだとか……バックボーンの話題も多くあるのだけど、難しいことはさておき、まずはその音を聴いてほしい。

ハイエイタス・カイヨーテやゴー・ゴー・ペンギン、ロバート・グラスパーなどにも通底する、ネオ・ソウルとヒップホップのナチュラルな融合。束縛感のないコード進行と、オーガニックな歌声がただただ心地よい。モータウンからブレインフィーダーまでをシームレスに繋ぐ彼女のような世代にはもはやジャンルなど関係なく、Jディラも、エリカ・バドゥも、ビル・ウィザースも、マル・ウォルドロンも同列でみな「良い音楽」なのだろう。2018年には日本でもアルバムが発売となり、同夏に初来日。まだまだ知られることの少ないミュージシャンではあるが、会心の出来となった本作から2020年代の音楽がどのように分岐していくのかチェックしておきたい。


2018年来日時に東京・新宿“ブルックリンパーラー”で行なわれたスペシャル・セット

また、「J・ラモッタ・すずめ」という特徴的な名前については、彼女の独白を和訳したライナーノーツに詳しい。附帯情報がなにかと軽視されがちなご時世だけれど、ひとつの読み物としてもとても面白いので、気になる方はぜひ現物を手に取ってほしい。(大伴)


2ndアルバムの日本リリースに寄せて

 

Personel :  J Lamotta Suzume(vo), Martin Buhi(b,string-arr), Daron Segal(kb), Pier Ciaccio(ds), Ra’fat Muhammad(ds,perc), Jarita Freydank(perc), Omri Abramov(ts,brass-arr), William Henderson(tp), Frank Dasent(tb), Linda Jozefowski(fl), Josefine Andronic(vln), Yuka Snell(vln), Mishi Stern(vln), Tabias Opialla(vla), Lucy Hoile(vc), Ron Meir(cho), Noritsu(cho)

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