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ハイレゾ配信音源の広がりや、SpotifyやApple Musicをはじめとする音楽ストリーミングサービスの急伸など、ここ数年で音楽のリスニング環境は驚くほど多様化している。こうした新しいスタイルで再生される幅広い音楽ソースを、より高音質で楽しめるのが、テクニクスの3.1ch一体型ワイヤレススピーカーシステム「SC-C50」だ。
前面180度に高音質サウンドを届けるユニット
本体は、6.5cmホーンスピーカー3組(下写真内 ①)と、ロングストローク設計の12cmサブウーハー(下写真内 ②)の計7基のドライバーで構成。ユニットは4基のフルデジタルアンプ「JENO Engine」で駆動する。また、MP3などの圧縮音源を高音質で再現可能な「Re-master」技術なども採用することで、コンパクトながら力強いサウンドと広い音場を実現。
さらに、中央に配置されたサブウーハーと、ストレートで大口径のロングバスレフポート(下写真内 ③)との相乗効果で、力強く深みのある低音再生を可能にしている。
低音重視と思われがちだが、ツイーターの鳴りもよく、高音域から低音域までしっかり聴かせてくれる。小型の一体型スピーカーはサイズ的にどうしても音がこじんまりまとまりがちだが、SC-C50のサウンドは空間全体に広がっていく。パーソナルなリスニングを楽しくさせるだけではなく、友人を呼んだホームパーティでも活躍するはずだ。
インテリア性と高音質を両立した機能美
筐体は曲線で構成されるデザインで、アルミニウム・パネルトップをヘアライン加工(注1)で仕上げたソリッドかつエレガントなインテリア性にも優れたデザイン。カーブ形状のエンクロージャー(注2)前面に、3.1chのスピーカーユニットを放射状に配置することで、音の歪みの原因となる内部の定在波(注3)の反射を抑制。ボディにはガラス繊維で強化した高剛性樹脂を採用し、本体の強度を高めて、さらなる音の歪みを低減している。
(注2)スピーカーユニットを収納する箱の意
(注3)ていじょうは=逆向きの2つの音の波が重なり合い波がその場に止まって振動するように見える現象
設置場所に合わせて自動で音質を最適化
SC-C50で特筆すべき機能が「Space Tune Auto」。内蔵マイクで壁からの距離や反射の状況などを測定/解析し、リスニングスペースやポジションに合わせて音質を自動で最適化してくれる。
このほか、部屋の中央などに置く「Free」、壁際に設置する「Wall」、部屋の角にセットする「Corner」の3つのプリセットを用意。セッティングに合わせて選ぶだけで、オーディオ・ビギナーでも手軽に最適なサウンドを楽しむことができる。
ちなみにSC-C50の備える機能の中で、個人的に最も気に入ったのがココだ。設置場所を確保できず、出窓や隅のコーナーなど空きスペースにポンッと置かざるを得ない環境でも、この機能を使えば、誰もがSC-C50の実力を引き出せる。やや大げさであるが、オーディオの革新ともいえるだろう。
すべての最新音楽ソースに対応
Wi-Fiを内蔵し、Bluetooth/AirPlay接続にも対応しているので、PCやネットワークオーディオに保存したハイレゾ音源などの再生や、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービス、インターネットラジオの受信も可能。
スマートフォンやタブレットからの操作によって音楽ストリーミングサービスとつながる「Chromecast built-in」に対応するほか、Google アシスタント搭載機器を使った音声操作もできる。ワイヤレス以外にも、アナログ(AUX)、光デジタル入力、、USBなど豊富な端子を揃え、これ1台で幅広い音楽コンテンツを楽しめる。
テクニクスは、ターンテーブルを中心にプレミアムオーディオを手掛けるHi-Fi オーディオだが、「OTTAVA S SC-C50」は8万5000円と、既存のラインナップに比べ、手の届きやすいプライスだ。ストリーミングなどで音楽を楽しむ層が比較的若いという背景もあるのだろうが、イヤホン・ヘッドホンで試聴するユーザーに、ステレオ・スピーカーで鳴らすサウンドの醍醐味を経験してもらいたいといった、情熱が伝わってくる渾身の1台といえるだろう。