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休日、ゆったりとした気分で音楽を楽しみたい。そこに合わせる素敵な一杯は? そんな音楽とお酒のマリアージュを楽しむ連載。第3回目は『コットンクラブ』の統括 シニアソムリエの福地 亘さんにセレクトしていただきました。
奥深き、シェリーの世界
今回、私が提案したいのは、シェリーとフラメンコギターのマリアージュ。この組み合わせは、天気のいい休日の昼間、気分を上げていきたいときにおすすめです。
シェリーは多くの人にとってあまり馴染みがないと思いますが、スペインはアンダルシア地方で作られる白ワインの一種(酒精強化ワイン)。使用する白ぶどうの品種は3つのみですが、熟成や産地の違いでさまざまなタイプがあって奥深いんです。先日、アンダルシア州政府認定のアンバサダーを取得しましたが、私はそのために約3年間スペイン・バルに通い続け、シェリー漬けの日々を過ごしたほどです。
大まかにいうと、スペインの人たちはマンサニージャと呼ばれる区分のものを好みます。これは熟成期間が短く、爽やかでライトで、色合いも白ワインのようですが超辛口。一方、多くの人がイメージするシェリーは、熟成期間が長く褐色で、濃醇で甘口。その間にも幅広い種類があるんです。
冷やして美味しい、いいとこどりの一杯
アモンティリャード スレタ(シェリー)
今回紹介するアモンティリャードという区分は、その中間に位置するタイプ。軽過ぎず重過ぎず、紅茶やフラワー系のフレーバーに、ナッツのような熟成感もあり、後味も爽やか。香りが複雑なので、ツマミがなくてもいける。つまり、音楽をツマミにすることができるんです。 デルカドスレタという蔵元は、1700年代後半から存在するアンダルシア地方で5本の指に入る老舗。 「アモンティリャード スレタ」の理想的な温度は10~18℃なので、これからの季節は軽く冷やして飲むと最高です。
超絶技法のフラメンコギター
パコ・デ・ルシア 『フエンテ・イ・カウダル』
そんな一杯と合わせて聴きたいのが、パコ・デ・ルシアの『フエンテ・イ・カウダル』。彼は超絶技法のフラメンコギター奏者で、このアルバムはフラメンコとジャズのフュージョンといえるサウンド。フラメンコはアンダルシア地方の芸能ですし、彼の出身地でもあります。やはり、その土地のお酒と音楽というのは相性がいいんです。
余談ですが、アンダルシア地方というのはスペインの南端で、年間降水量が620mm程度。620mmって、日本のゲリラ豪雨3回ぶんぐらいですから、ほぼ毎日晴れているんです。そんな土地の音楽とお酒は、カラっと晴れた日に楽しむのがベストです。
大学卒業後、ブルーノート東京でサービスを担当。2000年ソムリエの資格取得。03年シニアソムリエ取得。現在、東京・丸の内のライブレストラン「コットンクラブ」、「レゾナンス」のソムリエを務める。06年「キュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエコンテスト」にて準優勝。2012年利酒師コンクール世界大会第3位。日本酒学講師 ・日本茶インストラクター ・テキーラ・グランド・マエストロ など、計20種の資格を保有(2017年6月現在)。
・店舗名 /コットンクラブ
・住所/ 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F
・営業時間/17:00~23:00、16:00~22:30(土曜・日曜・祝日)
・定休日/不定休
・電話番号/03-3215-1555
・オフィシャルサイト/http://www.cottonclubjapan.co.jp/