9月6日(金)に発売される故マイルス・デイビスの幻の作品『Rubberband』。同作から収録曲の「Paradise」が先行公開された。
アコースティク・ギター、スティール・パン、パーカッションなど、カリビアンな雰囲気が特徴的な同曲。『Rubberband』の制作に関わったマイルスの甥ヴィンス・ウィルバーン・Jrは、同曲について「カーニバルのような雰囲気」と語っている。
『Rubberband』は、古巣のコロンビア・レコードを離れたマイルスが、ワーナー・レコードと契約した1985年に録音した作品。しかし、マイルスは(のちの移籍第1弾作品)『TuTu』の制作に取り掛かり、同作は結局お蔵入りとなってしまった。
ウィルバーンは、米ローリング・ストーン誌のインタビューに、『Rubberband』制作当時のマイルスのことを以下のように明かしている
「みんな知らないかも知れないけど、80年代、マイルズおじさんはよくMTVを掘っていたんだ。お気に入りのグループの曲が掛かると、ボリュームを上げて、そのアーティストのレーベルに音源を送るよう連絡していたよ。スクリッティ・ポリッティのカバー〈Perfect Way〉も、こうした経緯で作られたんだ。シンディ・ローパーの〈Time After Time〉やマイケル・ジャクソンの〈Human Nature〉もね」
「彼は80年代の音を掘り下げて、そのバイブスを『Rubberband』のセッションに活かそうとしていたんだ。彼は進化を誇りに思っていたし、音楽の発展を探り続けていたんだと思う」