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モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン 2017 DAY1 レポート

今年で3回目を迎えた「モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン(以下MJFJ 2017)」が、恵比寿ガーデンホール(東京都目黒区)にて開催された。前々週から続いた台風も過ぎ去り、天気に恵まれた11月3日。3日間におよぶフェスが開幕した。

初日のメインステージ出演者は、BIGYUKI、SOIL&”PIMP”SESSIONS。マシュー・ハーバート・ブレクジット・ビッグ・バンドの3組。

会場内に入るとラウンジ・スペースではDJ MITSU THE BEATSのプレイが始まっており、来場者はメインステージ開演までのしばしの時間、MITSU THE BEATSのJAZZYなセットを楽しんでいる。

15時30分、メインステージが幕を開け、同フェスのオープニングを飾るアクト、BIGYUKIが登場。ロバート・グラスパーやマーク・ジュリアナ、ア・トライブ・コールド・クエストなどとの共演で、米国でも高い評価を受けるBIGYUKI。

今回のステージはランディ・ルニオン(G)とレニー・リース(Dr)を従えたシンプルな3人編成となっており、静かなピアノ・ソロからライブがスタート。クラシックのバックボーンを色濃く感じる独特の世界にランディのギターとレニーのドラムが交わる。ゆっくりとテンションを上げながら会場は徐々に「BIGYUKIワールド」に包まれていった。

後半にはライブ初披露という2曲が演奏され、最新作から「Nunu」、ラスト・ナンバーには“自分の殻を破るメッセージを込めた”という大作「revolution US」が演奏された。流麗で壮大、激しくも静かな楽曲構成はさながらオーケストラようで、息を飲むピアノ・ソロとともにライブは終了。

一時間のインターバルを挟み、2組目のバンドSOIL&”PIMP”SESSIONSが登場。先ほどのBIGYUKIを“静”とするならば、SOILは確実に“動”のライブだ。

オープニングから観客を煽りまくり、会場の空気は一転、急激に熱を帯びて行った。ダンサブルなサウンドとギャグ交じりのパフォーマンス&MCで会場の温度はさらに上がり、着席で見ることに耐えかねた人もチラホラ現れるほど。

抜群の存在感を放つアジテーターの社長、バンドの骨組みをしっかりと支えるリズム隊のみどりん(Dr)と秋田ゴールドマン(B)、卓越した仕事をみせる丈青(Key / P)、観客の熱を煽るフロントマン・ダブゾンビ(Tru)とサポートの栗原健(Sax)。海外の名だたるビックフェスを渡ってきた演奏力はダテではなく、最初から最後まで“熱狂”という言葉が相応しいライブだった。

そして、初日のトリを飾るマシュー・ハーバードが登場。ビッグ・バンドを従えての同ステージ序盤、おもむろにマシューが歌い出したかと思えば、自身の声をサンプリングし、そのままライブがスタート。ユニークな作品とパフォーマンスで“奇才”の異名を持つマシューだが、今回も冒頭から予測不能なステージとなった。

新聞紙を破る音やタイピングの音をサンプリングしたり、客席にマイクを向け観客の声で音を構築したり、とにかく遊び心が満載の同ステージ。楽曲もそんなマシューのユーモアを体現するかのようなエンターテイメント性に溢れたものとなっており、それを支えるビッグ・バンドの重厚なサウンドとボーカル・ラエルの歌声がピッタリとはまっていた。

今回のパフォーマンスは、数十名のオーケストラと数100人の観客を巻き込んだ「大掛かりな実験」とも言えるステージ。マシュー・ハーバードという規格外の才能にただ圧倒される。まるでミュージカルや大作映画を観た後のような恍惚感に満たされたままライブは終演。約5時間におよぶMJFJ2017の初日が終わった。

独創的な世界観で会場を包んだBIGYUKI。ロック・ライブさながらの盛り上がりをみせたSOIL&”PIMP”SESSIONS。型破りなステージで観客を圧倒したマシュー・ハーバード。演目の流れも素晴らしく、初日からバラエティに富んだ最高の1日だった。

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