欧米のポップスターや映画俳優が、日本のテレビCMに出演することがありますが、ジャズミュージシャンも例外ではありません。特に1980年代はその全盛期。
たとえば、サントリーのCMにロン・カーターやハービー・ハンコック、ボブ・ジェームスらが登場し、マクセル(カセットテープ)のCMにはアル・ディメオラ。日立のビデオデッキでクインシー・ジョーンズ。パナソニックにはハンク・ジョーンズ。あのマイルス・デイヴィスは、三楽(焼酎)とTDK(カセットテープ)に出演。ロン・カーターにいたっては、先述のサントリーをはじめ、第一生命、ゼリア新薬工業、タリーズのCMにも出演しています。
じゃ、海外ではどうなの? ってことで、調べてみました。まずは北米を中心にオンエアされた“日本企業の海外CM”から。
マイルス・デイヴィス
ハービー・ハンコック
カシオのキーボード「CT 650」のCM。1989年、北米を中心にオンエアされたもの。
ソニー・ロリンズ
さて、ここから先は完全にアメリカ企業のCM。まずは誰もが知るあの店(商品)から。
アル・ジャロウ
マクドナルド(1996年)のCM。共演者はシンガーのヴェスタ・ウィリアムス。かなりのハイテンションで“ビッグマック賛歌”を熱唱。この「ファストフード+スキャット」のパターンには、こんなのもあります。
エラ・フィッツジェラルド
ケンタッキーフライドチキン(1982年)のCM。横で歌っている女の子は、のちのシャニース(R&Bシンガー)ということでも話題に。ちなみに、エラ・フィッツジェラルドはこんなCMにも出演してますよ。
メモレックス(カセットテープ)のCM。
で、こっちはチャック・マンジョーネも出演。
さて、ここでちょっとレトロなものを。
ルイ・アームストロング
シェーファー(ビール)のCM。おそらく60年代中期。同じ時期、サッチモはこんなCMにも出演しています。
おままごと人形「スージー・キュート」のCM。一応、言っておきますが、このCMのターゲットは白人の女子です。さて、ここから一気に新しいものを。
ダイアナ・クラール
クインシー・ジョーンズ
「グーグル・プレイ・ミュージック」のCM。息子と一緒に、ケンドリック・ラマーの曲を聴きながら…。
ちなみにクインシーは、ファレル・ウィリアムスやDr.ドレーとも(ビールのCMで)共演。
“豪華メンバー”といえば、こっちも。
ニューヨークのラジオ局「Cd 101.9」のCM。1988年。ボビー・マクファーリン、アル・ジャロウ、ハーブ・アルパート、マイルス・デイヴィスが出演。マイルスはこの3年後に他界しますが、没後にCM出演というこんなパターンもあります。
セロニアス・モンク
ナイキ(1996年)のCM。シカゴ・ブルズ在籍時のスコッティ・ピッペンとモンクのコラボ。
ジョン・コルトレーン
ジープ(1993年)グランドチェロキーのCM。まさか死後にクルマのCMに出るなんて、本人は想像もしなかったことでしょう。