ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ケニー・バレル、ジェラルド・ウィルソンといった錚々たる面子に加え、チャカ・カーン、ローリン・ヒル、スヌープ・ドッグらのバックバンドを務めたカマシ・ワシントン。ジャンルの垣根を越えてその才能を開花させてきたLAジャズ最重要プレイヤーである彼が、フライング・ロータス制作総指揮のもと、3枚組170分超えのリーダー作を遂にリリース。
ベースにはサンダーキャットとマイルズ・モスリー、ドラムにロナルド・ブルーナーとトニー・オースティン、鍵盤にはブランドン・コールマンとキャメロン・グレイヴスといった、ネクスト・ステップの面々に加え、32名のオーケストラと20名のコーラスが参加した総勢60名以上の気鋭ジャズメンたちとともに制作された本作。スピリチュアルとバップとアフロが共存するジャズ新世紀の幕開けともいえるティーザー曲「Re Run Home」を筆頭に、従来のジャズの概念を無視したイマジネーション溢れる卓越した個々のプレイヤビリティが、破格のスケールで波打つ様は、「Thelonious Monk Institute of Jazz」のバーバラ・シーリーが「他に類を見ない」と墨をつくほどだ。
フライング・ロータス諸作、そしてロバート・グラスパーやサンダーキャットとともに、ケンドリックラマー(Kendrick Lamar)の『To Pimp A Butterfly』への参加が話題の中、本作品を機に、このカマシ・ワシントンの名前が一気に広がるであろう。