かつて、ホース・フェザーズ、エフタークラングなどをサポートし、現在はアメリカの女性シンガー・ソングライターのなかでも高く評価されているシャロン・バン・エッテンのサポート・メンバーとして貢献する、米ポートランドの女性シンガー・ソングライター/マルチインストゥルメンタリスト、ヘザー・ウッズ・ブローデリック。2009年にオーストラリアの<Preservation>からリリースしたソロデビュー作『From the Ground』以来、実に6年ぶりとなるセカンド・アルバム『Glider』がついにリリースされた。
アコースティックギターとピアノを中心とした前作から、エレクトリックギターとキーボードなどにシフトした本作では、彼女はその他にもフルートやドラムを演奏。また前作同様、弟のピーター・ブローデリックが全面的に参加し、ストリングスやドラム、ヴォーカル、スライドギター、キーボードからミックスやオーヴァーダブに至るまでを担当している。2人だけで作り上げた前作では、ポートランドらしい素朴なフォーキーさとポスト・ラシカルやアンビエントなプロダクションがとても親密で美しかったのに対し、より深みを増した本作では、まるでグルーパーの『Ruins』とシャロン・バン・エッテンの『Are We There』という2014年を代表する2つの名作を同時に感じさせるような高い表現力と訴求力を獲得している。
ピーター・ブローデリックの他にはノーフォーク・アンド・ウェスタンのメンバーで、デス・キャブ・フォー・キューティーのサポートギタリスト、デイヴ・デッパーがベース&ヴォーカルで参加し、またデヴィッド・オーレッド、エリック・アーリーなどポートランドのミュージシャンが参加。