Various Artists『Nina Revisited… A Tribute To Nina Simone』

ニーナ・シモンの伝記映画『What Happened, Miss Simone?』に併せ、ロバート・グラスパー総指揮で制作されたトリビュート・アルバム。ジャズ系ではグレゴリー・ポーターが参加するものの、約半数の曲を歌うローリン・ヒル以下、ジョン・レジェンド、コモン、レイラ・ハサウェイ、アッシャー、ジャズミン・サリヴァンといったシンガーの顔ぶれからR&B色が強い。R&B調の「My Baby Just Cares For Me」、レゲエ・ソウル調の「Baltimore」、ファンクとロックとヒップホップの中間的な「I’ve Got Life」と必ずしもジャズ・ヴォーカル的な作りではなく、代表曲「Feeling Good」にしてもリズム・アンド・ブルースを軸にロック的なギター・ソロが絡む。「Love Me Or Leave Me」やコモンとレイラ・ハサウェイがフィーチャーされた「We Are Young Gifted & Black」のR&Bを取り入れたアレンジに顕著だが、ロバート・グラスパー・エクスペリメントの『Black Radio』的世界観が反映されたニーナ・シモン作品集ということなのだろう。