4ビート・ジャズの衰退やフリー・ジャズの台頭など、新時代への試行錯誤を始める日本のジャズ・シーンの変換期を鮮明に捉えた作品として知られるアルバム『センセーショナル・ジャズ’70』。この作品は、1970年4月30日に渋谷公会堂で開催されたジャズ・ロック・コンサートの模様を収めたものだ。それから45年、そのアルバムに収録されなかった未発表音源集が新たに発売される。
猪俣猛とサウンド・リミテッド、稲垣次郎とソウル・メディア、石川晶とカウント・バッファローズ、宮間利之とニューハードという日本のジャズ・ロック・シーンを代表するバンド4組による音源を収録。猪俣猛とサウンド・リミテッドが同年にリリースしたアルバム『サウンド・オブ・サウンド・リミテッド』に収録されている「JOINT」や、石川晶とカウント・バッファローズが稲垣次郎とソウル・メディアの「BACK TO RACK」を演奏。日本の新たなるジャズ・シーンを切り拓こうとするアーティストたちの熱意や、ライヴならではの生々しい演奏を存分に味わうことのできる本作。先の「センセーショナル・ジャズ’70」と同様に、日本のジャズ・ロックの歴史を知る上で欠かすことのできない作品。