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アンカーソング『Ceremonial』

 ロンドン在住の日本人クリエイターのアンカーソングこと吉田雅昭。MPC2500とキーボードを駆使し、エレクトロニックなサウンドとオーガニックなテイストを交えたスタイルはボノボあたりを彷彿とさせる。そのボノボもかつて所属したUKのトゥルー・ソウツから2011年に初アルバムを発表し、それから約5年ぶりのセカンド・アルバムが完成した。テーマは「オーガニックなグルーヴを纏ったエレクトロニック・ミュージック」で、ファーストの世界観をさらに推し進めている。サウンド面ではアフリカ音楽からの影響が強いことが特徴だ。アフリカ音楽といっても様々だが、たとえば「Eve」ではプリミティヴなアフリカ音楽とミニマル・ミュージックに共通する側面を打ち出し、「Expo」では強烈なファンク・ビートを結びつけ、「Kajo」ではトライバルなサウンドとテクノを融合するなど、民族音楽を現代的に表現するところがアンカーソングならでは。ダンス・ビート的な解釈だけでなく、「Expo」や「Rendezvous」などではブルース調のギターを交え、ほかにもマリンバやコラなどアフリカ音楽に顕著な楽器使いも見られる。アフリカ音楽の表層的な形式やスタイルを取り入れることにとどまらず、本格的に研究や実演したことも窺えるアルバムだ。

 


■Beatin

http://www.beatink.com/Labels/Tru-Thoughts/Anchorsong/BRC-489/

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