モダンファンク/ブギーというジャンルを再定義した名作『Toeachizown』から、じつに6年ぶりとなるデイム・ファンクのソロ2作目。その間に元スレイヴのスティーヴ・アリントンとの『Higher』やスヌープ・ドッグとの『7 Days of Funk』といったコラボレーション作品を発表してきた流れはあったものの、ビンテージのシンセやリズムマシンを使って、ほぼ一人で作り上げたインスト中心のプリミティブな前作と比べて、明確な方向性を持ったコンセプチャルな作品に仕上がっているのは、いい意味で驚きでもある。
前作との最も大きな違いは全面に出ているデイム・ファンク自身のボーカルと、さらに様々なジャンルから集められた計14名ものゲスト・アーティストとの絡みだ。ジュニー・モリソンやレオン・シルバーズといったファンク勢やスヌープ・ドッグ、Qティップといったヒップホップ勢はもちろんのこと、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーやアリエル・ピンクなどロック界からの人脈をも巻き込み、より洗練された2015年のモダンファンクが構築されている。また、音楽的にはファンクだけでなく、ディープハウスをも内包しているのも注目すべきポイントだ。
本作からさらに今後、デイム・ファンクの提示する“モダンファンク”がどう進化していくのか、楽しみでならない。