カナダ・モントリオール出身の3人組のデビュー・アルバム。1人がシンセサイザー&ボーカル、あと2人がギター&シンセサイザーという編成で、アンビエント・テクノなどの要素も取り入れたポップな音楽を展開している。トッド・ラングレンやスティーリー・ダンあたりの影響も感じさせるが、世界観や精神性などはロキシー・ミュージックに通じるものを感じる。ロキシーの持っていたデカダンスなポップ感覚を、現代に甦らせたイメージ、といえばいいだろうか。“Seoul”というネーミングからすると、ひょっとしたら“Japan”も好きなのかもしれない。生活感のない、リバーブが深くかかったボーカルも印象的だし、空間を活かして、1音1音の音色に凝ったトラック・メイキングや、歯切れのいいリズム・ギターなどを聴くと、彼らの音楽スキルの高さとセンスの良さが窺える。これまでのカナダのアーティストのイメージとはひと味違った、新世代のシンセサイザー・ポップ・ミュージックだといえそうだ。
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