近年また注目を集めるキューバ音楽。この音楽大国の膨大なアーカイブスでもとりわけ謎なグループがこの“グルーポ・ロス・ジョージ”だ。ホルヘ・ソレール・レオーンという人物が率いていたということ以外、一切情報がないという今作。ジャケットのクレジットにある“YOYI”はスペイン語読みで“ジョージ”、発売当時（77年）全盛だったPファンクのジョージ・クリントンからとったのではないかと想像してみる。ホルヘを英語でジョージと読ますことからも海の向こうのアメリカへの憧憬も窺える。その通りにサウンド面はアフロ・キューバ音楽の影響が随所にみられるスペイシーなファンク、ディスコ。ただ、この時期は国交断絶によりキューバの若者にはアメリカの情報はほとんど伝わってなかったということを考えると、このバンドが作り出した“想像の”、ユニークである意味ロマンチックなファンクといった方がしっくりくる。中古市場で高値をつけていた盤の待望の再発。
グルーポ・ロス・ジョージ『GRUPO LOS YOYI』
