作品ごとに参加メンバーもサウンドも変化する不定形集団、アニマル・コレクティヴ。エイヴィ・テア、パンダ・ベア、ジオロジストの3人編成でレコーディングされた本作は、3分間の楽曲が並ぶバンド史上最もコンパクトな仕上がりながら、一度分断した上で繋ぎ合わせた複雑なボーカルやメッセージ性の強い歌詞など、細部にわたって描き込まれたポップ・アートのような作品だ。その象徴とも言えるのが、アルバムの冒頭を飾る「フロリダダ」。“フロリダ”と“ダダ”を掛け合わせ、サーフ・ロックの名曲「ワイプ・アウト」のイントロをサンプリングしたこの曲には、あらゆる国の音楽が溶け合っている。ギャング・ギャング・ダンスのブライアン・デグロウがメンバーを描いたアートワークは全部で3種類存在するが、パンダ・ベア・ヴァージョンのジャケットには、ダブ詩人リントン・クウェシ・ジョンソンの名盤『ベース・カルチャー』のジャケットが隠れていることにもご注目。24カ国語のステッカーが封入された本作は、きっと新しい世界の共通言語になるはずだ。
■Hostess
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