エレクトリック・ベースの歴史を変えた天才ジャコ・パストリアス。彼は1987年に35歳の若さで他界したが、音楽のジャンルやスタイルを問わず、現在活躍しているベーシストのなかで、彼の影響を受けていない人を探すのが難しいくらい、その影響力と功績は絶大だ。彼は1981年に自分のビッグ・バンドを結成し、その旗挙げライブの模様が『バースデイ・コンサート』というアルバムでリリースされているが、その未発表音源と、ジャコが残した音楽を現代に継承していこうと現在も活動している“ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンド”による未発表演奏をCD1枚ずつに収録した2枚組がこの作品だ。ジャズの伝統と革新性が一体となった、繊細だが、迫力満点のビッグ・バンド・サウンドとともに、ジャコのベースがイキイキと駆け巡っている。グルーヴ感のすごさやフレーズのユニークさは今聴いても斬新だし、その天才ぶりに圧倒される。また2枚目の、リチャード・ボナの、まるでジャコの魂が乗り移ったかのような迫真のベース・プレイも聴きものだ。
■オフィシャルサイトURL
http://wmg.jp/artist/jacopasband/WPCR000017102.html