アンビエントなフォークトロニカを奏で、「ボーズ・オブ・カナダのお気に入り」という触れ込みでワープに移籍したのも今は昔。イギリスはウエスト・ミッドランド出身のビビオことスティーヴン・ウィルキンソンの新作は、サンプリングを排したフィジカルなアーバン・ソウル・ミュージックだ。ゴティエの大ヒット曲「Somebody That I Used To Know」のリミックスをブレイク前に手掛けていたことでも知られるビビオだが、そのお返しとばかりに、本作収録の「The Way You Talk」にはゴティエ本人がボーカルで参加。フレンドリー・ファイアーズのライブ・ドラマー、ロブ・リーが参加した「Town & Country」での歌いっぷりは、昨年亡くなったアラン・トゥーサンが乗り移ったかのようだ。もちろん、ブリティッシュ・フォークに影響を受けたという卓越したギター・プレイも健在。ライブには消極的なようだが、自信に満ちた本作を聴く限り、フル・バンド編成による本格的なパフォーマンスが見られる日もそう遠くなさそうだ。
■Beat Records
http://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Bibio/BRC-507/