バレアリック・ミュージックを90年代初頭から探求し続けるDJ、フィル・マイソンことカントマ。90年代には、ダンスミュージックの楽園イビサにある人気クラブ、カフェ・デル・マールのレジデントDJとしても活躍。そんな彼の最新アルバムは、“これぞバレアリック”と言いたくなるサウンド。洗練されたなだらかなビートに象徴的であるスパニッシュ・ギターの調べも美しい大人のダンスミュージックだ。トミー・ゲレロのバンドのメンバー、ビン・ジ・リンやウィスパー・ボイスのレゲエ・ミュージシャンのブレンダ・レイが参加。そして日本でもカルト的な人気を誇り、スペイン産ニューウェイブ~アンビエントの奇跡と称されるフィニス・アフリカエのハビエル・ベルヒアが参加しているのはかなりの驚きだ。フィルがハビエルにコンタクトを取り、通訳を通して楽曲製作を進めたという。イビサのチルアウトの金字塔と呼ばれる自身の2003年作『Pandajero』を超えた傑作だ。