新世代の辣腕ベーシスト=ブライアン・ブロンバーグの新作『フル・サークル』が届いた。これが予想外のトラディショナル・ジャズで、スウィンギーなアコースティック・サウンドが存分に楽しめる躍動的な演奏が詰め込まれている。その幅はキューバン・ミュージックを筆頭にザディコ、ディキシー・ランド、ニューオリンズ・ファンクと多彩なリズムに彩られている。さらには冒頭と最後の曲で、彼の父親でドラマーだったハワード・ブロンバーグと“共演”していることにも注目。その内容はブライアンが生まれる前に父親が演奏・録音したアセテート盤からサウンド・ファイルを取り出し、クリーン・アップした後にブライアンの演奏をオーバーダビングして実現させたもの。まるでナット・キング・コールと“デュエット”したナタリー・コールの「Unforgettable」のインスト版のようだ。
プライベートで背中に重症を負ったブライアンが家族のサポートを受けながらリハビリを受け、現役復帰を果たす過程で閃いた、家族との絆を演奏に反映させたアルバム。コンセプトと技術が両立した内容になっている。
■KING INTERNATIONAL INC.公式サイト
http://www.kinginternational.co.jp/jazz/art-7047/