1990年代はトム・ミドルトンとのグローバル・コミニケーション/リロードなどの名義でテクノやエレクトロを牽引。さらに2000年代に入ってからはラテン・ブロークンビーツなトラブルマン。そしてハーモニック313名義やスティーヴ・スペーシックとのアフリカ・ハイテックでビート・ミュージックやベース・ミュージックを、というまさにUKのダンス・カルチャーの再前衛に立ち続けるマーク・プリチャード。本作はそんな20年にも及ぶ彼のキャリアで初のソロ・アルバムとなる。本名名義でのここ最近といえばジャングル/ジュークに傾倒した作品をリリースしていたが、本作では最近彼が見せてこなかったアンビエントやエクスペリメンタルな電子音楽家としての側面を発揮。クラスター初期や、ヴァンゲリス『ブレイドランナー』などなど、彼が影響を受けてきたであろう、テクノ以前の電子音楽を彷彿とさせるシンセ・サウンドによる静寂な世界観が本作には横たわっている。トム・ヨークやビビオ、アンチ・ポップ・コンソーティアムのビーンズなどが参加。
■Beatink
http://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Mark-Pritchard/BRC-511/