メイザ・リークやインディア.アリーのバック・ヴォーカリストからスタートし、2010年前後からは客演仕事としてネオ・ソウルを中心としたインディペンデントのR&B作品などでソフトな清涼ヴォイスを聴かせてきたシャンテ・カン。米シカゴ出身で現在はアトランタを拠点に活動する女性だが、その名が一気に広まったのはスナーキー・パピーの2013年ライヴ録音作『ファミリー・ディナー ヴォリューム・ワン』にてメロウな「フリー・ユア・ドリームス」、およびピアノ伴奏から徐々にビートが強化されていく「ダ・ダン・ダ」を歌う姿が人々の目(耳)に届いてからだろう。この2曲のスタジオ録音版を収めた初リーダー作は、「ダ・ダン・ダ」に代表されるように、R&Bシンガー然とガッツリと歌い込むのではなく、スキャットを用いて声を楽器の一部として操りながら清らかな美声を放っていく半インスト的な曲が多数を占める。プロデュースは、90年代後半にINOJを手掛け、最近ではエイヴリー・サンシャインに関わるジェイミー・ポーティ。彼とデュエットしたジャジーなスロウ「アイチェンジ」のようなヴォーカル曲は次作以降の展開を期待させる。
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