黒田卓也(tp)、大林武司(p,key)など、ニューヨークを拠点に活動している気鋭の日本人ミュージシャンたちによって結成されたJ-Squadのデビュー・アルバム。「スターティング・ファイヴ」が『報道ステーション』のテーマ曲に使用されているので、聴いたことがある人も多いと思う。全曲彼らのオリジナル曲だが、ジャズの最前線で呼吸し、最先端ジャズの語法を身につけている彼らならではの音楽を聴かせている。“グルーヴ”と“パルス”が共存するリズム、空間を活かしたメロディやソロ、“不協和音”を巧みに“協和”させるハーモニー・ワークなど、とても刺激的で新鮮だ。ハード・バップに根ざしたアプローチを展開する一方、変拍子、ファンク、セカンド・ラインなども取り入れ、あらゆる音楽を体験した上で、ジャズにこだわり続けている彼らならではのサウンドを展開している。彼らが日本人だということが重要なのではなく、ジャズという音楽の最前線に立って、ある意味“闘い”続けている若者たちが、今いちばん“カッコいい”と思う音楽を精一杯演奏しているところがいちばん重要であり、このアルバム、そしてこのグループの最も魅力的なところだと思う。
■Universal Music
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