2020年(第62回)グラミー賞の候補作が発表されました。今回は、日本人のジャズ音楽家、挾間美帆(はざま みほ)の作品が「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム賞」にノミニー。そんな彼女の受賞を阻むライバル作品はどんな内容なのか? さらに、他のジャズ・カテゴリー(5部門/全25候補)には、どんな作品がノミネートされているのか…。
今回、ジャズ部門の受賞候補となった作品を、すべて試聴リンクつきでピックアップ。ざっと聴くだけでも、最近のジャズのトレンドや傾向がなんとなく見えてきます。この機会に、今年リリースされた “ジャズ傑作アルバム” を総チェックしつつ、各部門の “グラミー獲得予想” をたててみるのも面白いかも。結果発表(授賞式)は、2020年1月26日(米現地時間)です。
●「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」候補作
●「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」候補作
●「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」候補作
●「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」候補作
●「ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム」候補作
ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ
● Best Improvised Jazz Solo(最優秀ジャズ・アドリブ賞)
優れた即興演奏やソロ・パフォーマンスを讃える賞。アルバムではなく、楽曲(と演奏者)が対象。アドリブ演奏を重視するジャズならではの部門。
楽曲:「Elsewhere」
ソリスト:メリッサ・アルダナ
収録アルバム:『Visions』
楽曲:「Sozinho」
ソリスト:ランディ・ブレッカー
収録アルバム:『Rocks』Randy Brecker & NDR Big Band – The Hamburg Radio Jazz Orchestra With David Sanborn, Ada Rovatti & Wolfgang Haffner
楽曲:「Tomorrow Is The Question」
ソリスト:ジュリアン・ラージ
収録アルバム:『Love Hurts』
楽曲:「The Windup」
ソリスト:ブランフォード・マルサリス
収録アルバム:『The Secret Between The Shadow And The Soul』Branford Marsalis Quartet
楽曲:「Sightseeing」
ソリスト:クリスチャン・マクブライド
収録アルバム:『Christian McBride’s New Jawn』
【ジャズ・カテゴリ 全5部門】
●「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」候補作品
●「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム」候補作品
ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム
● Best Jazz Vocal Album(最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞)
ボーカル楽曲をメインにして作られたジャズ・アルバムが対象。原則として、新録されたボーカルの割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。
『Thirsty Ghost』
サラ・ガザレク
『Love & Liberation』
ジャズメイア・ホーン
『Alone Together』
キャサリン・ラッセル
『12 Little Spells』
エスペランサ・スポルディング
『Screenplay』
ザ・ティアニー・サットン・バンド
>>「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」候補作品はこちら
【ジャズ・カテゴリ 全5部門】
●「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」候補作品
●「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム」候補作品
ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム
● Best Jazz Instrumental Album(最優秀ジャズ〈インスト〉アルバム賞)
ボーカルを使わず、楽器演奏(インストゥルメンタル)で構成されたジャズのアルバムが対象。原則として、新録されたインストゥルメンタル演奏の割合がアルバム全体の51パーセント以上を占めていることが条件。ジャズ部門の中でもっとも歴史が古く、権威ある賞。現在のところ最多受賞者はチック・コリア。
『In The Key Of The Universe』
ジョーイ・デフランセスコ
『The Secret Between The Shadow And The Soul』
ブランフォード・マルサリス・カルテット
『Christian McBride’s New Jawn』
クリスチャン・マクブライド
『Finding Gabriel』
ブラッド・メルドー
『Come What May』
ジョシュア・レッドマン・カルテット
>>「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」候補作品はこちら
【ジャズ・カテゴリ 全5部門】
●「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」候補作品
●「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム」候補作品
ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム
● Best Large Jazz Ensemble Album(最優秀ジャズ大規模アンサンブル・アルバム賞)
“大編成のジャズ楽団”による重奏(=ラージ・アンサンブル)作品を対象にした部門。楽団名義の作品や、コンポーザーの個人名義作などさまざま。今回、日本人作家の挾間美帆『Dancer In Nowhere』がノミネート。
『Triple Helix』
アナット・コーエン・テンテット
『Dancer In Nowhere』
挾間 美帆
『Hiding Out』
マイク・ホロバー & ザ・ゴッサム・ジャズ・オーケストラ
『The Omni-American Book Club』
ブライアン・リンチ・ビッグ・バンド
『One Day Wonder』
テラッツァ・ビッグ・バンド
【ジャズ・カテゴリ 全5部門】
●「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」候補作品
●「ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム」候補作品
●「ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム」候補作品
ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム
● Best Latin Jazz Album(最優秀ラテン・ジャズ・アルバム賞)
南米音楽の要素を加味したジャズ(ボーカル/インストゥルメンタル問わず)が対象。これまでに、サルサやキューバ音楽をはじめ、アルゼンチンタンゴ、ブラジル音楽なども選出されている。
『Antidote』
チック・コリア & ザ・スパニッシュ・ハート・バンド
『Sorte!: Music By John Finbury』
タルマ・ヂ・フレイタス With ヴィトール・ゴンサウヴェス、ジョン・パティトゥッチ、シコ・ピニェイロ、ロジェリオ・ボッカート & ドゥドゥカ・ダ・フォンセカ
『Una Noche Con Rubén Blades』
ジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラ With ウィントン・マルサリス & ルーベン・ブラデス
『Carib』
デヴィッド・サンチェス
『Sonero: The Music Of Ismael Rivera』
ミゲル・ゼノン