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原 雅明(音楽評論家)が選ぶ 2019年ベストアルバム

原 雅明
音楽評論家。ringsレーベルのプロデューサーやLA発のネットラジオ dublab.jp のディレクター、DJやホテルなどの選曲も務める。単著『Jazz Thing ジャズという何か』ほか。

2019年に発表された「女性ミュージシャンの作品」のなかからベスト3を選出。


Esperanza Spalding
『12 Little Spells』

2018年に毎日同じ時間に1曲ずつ公開していった作品に新曲を加えてアルバムとして出した本作について「ミュージシャンのようなアイデンティティからどんどん離れていった」とエスペランサは言う。カテゴライズできない自分の現在の音楽を身体の各部が受ける感覚レヴェルで共有するような表現へと転化し始めている。

 

Kris Davis
『Diatom Ribbons』

エスペランサやテリ・リン・キャリントン、ヴァル・ジーンティー、ニルス・クライン、JDアレンらを迎えたピアニスト、クリス・デイヴィスの力作。ジェリ・アレンのオマージュ・コンサートから始まったプロジェクトで、タイトル曲ではセシル・テイラーの声がミックスされる。テリ・リンの『Waiting Game』と呼応する側面も。


 

Sudan Archives
『Athena』

アフリカン・ルーツの音楽を自然に採り入れる世代の台頭が目立つが、ヴァイオリン奏者でシンガーのスーダン・アーカイブスには突出したものを感じる。ルーツであるスーダンの音楽はもちろん、ケルト音楽のフィドルを思わせる瞬間もあれば、現在の活動拠点であるLAのビート・ミュージックとも呼応するしなやかな音楽性が魅力だ。

 

原 雅明がプロデューサーを務めるレーベル ringsの最新リリース
★UKのプロデューサー、ヘクター・プリマー『Next To Nothing』
★LAのシンガーソングライター、アンナ・ワイズ『As If It Were Forever』
rings HP
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