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夏にちなんだ楽曲、アルバム
ジャズには季節をテーマにした楽曲やアルバム・タイトルがずいぶんあります。今回は“夏”にちなんだ楽曲、アルバムを選んでみました。ジャズはアメリカの音楽ですから当然季節と言ってもアメリカの四季。同じ北半球に位置していますが、湿度の少ないアメリカの夏に対するイメージは微妙に違っているようにも思えて、その辺りが面白い。3枚のアルバムそれぞれの“夏”を感じてみてください。
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- Joe Henderson
- Porgy & Bess
ジョージ・ガーシュウィンが作曲したフォーク・オペラ『Porgy & Bess』。その中の挿入歌「Summertime」は、名曲だけにマイルス・デイビスはじめ多くのミュージシャンが採り上げています。なかでも私がオススメするのが、ジョー・ヘンダーソンのアルバム『Porgy & Bess』に収録された「Summertime」。チャカ・カーンが歌っています。ちなみに日本でも戦後一時期、日照時間を有効に利用する「サマータイム」が導入され、夏は時計の針を1時間進めたそうですね。
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- Art Farmer
- The Summer Knows
本作をリリースした日本のレーベルEast Wind。1970年代に優れたジャズ・アルバムを制作していて、アメリカのジャズマンの名盤がずいぶんとあります。邦題は『おもいでの夏』で、ジャケットはちょっと軟弱ですが、中身はしっかりとした聴き応えがあります。アート・ファーマーが柔らかな音色が特徴であるフリューゲル・ホーンの持ち味を活かし、サイドのピアニスト、シダー・ウォルトンとの相性も抜群です。
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- Joe Pass
- Summer Nights
ハイテクニックを誇るジャズ・ギタリスト、ジョー・パスが1960年代に出した名盤『ジャンゴに捧ぐ』を、1989年にほぼ同じメンバーで再演したのがこの作品。個人的にはこちらの演奏の方に親しみを感じる。理由は、1960年代盤はテクニックが先行している印象があって、凄いけれどいまひとつ寛げないのです。それに比べ、こちらは年の功と言いましょうか、枯れた味わいが好ましい。ギター・ファン必聴の名盤です。