――昨日、カナダから帰ってきたばかりだそうで。
はい。モントリオールのジャズフェスに出てました。
――お疲れのところ、すみません。
いえいえ。他人(編集部)のお金でレコード買って、そのレコードが、さらに他人の手に渡るっていう奇妙な企画。呼んでいただいて光栄です。
ELLA records
〒151-0013
東京都渋谷区西原1-14-10
03-6407-0013
――さっそく最初のお店に到着。東京・幡ヶ谷のELLA recordsさんです。この店を選んだ理由は?
ここの店主とは古い付き合いで。以前は違う場所でレコード店をやっていたんだけど、つい先週、この場所にリニューアル・オープンしたんです。
――ということは、“掘れる”可能性も高い。
まずはこのロープライスの箱を掘ってみますか。
――結構、数がありますね。
さすが、新鮮な良いネタが揃ってる雰囲気……ほら、さっそく出た。これが100円ですよ!?
――おお、これはいい作品です。しかも盤質良好で、この値段。買わない理由が見つからない。
だよねぇ。
そう。長年レコード買ってますけどね、最近、自分の購入ポイントもそうなりつつあるんですよ。DJ的な即戦力も重要なんですけど、ずっと聴き続けられる、本当に良い音楽を探すようになった。
あるね。熟考して買ってるはずなんだけどね。たまに家で聴いたり、DJで使ったりもするし、希少価値もあるんだけど、結局『自分にとって、そんなに重要じゃないな…』って思うレコードってあるよね。
※
というわけで、ELLA recordsで5枚のレコードを購入。次は渋谷のレコード店、next recordsさんへ移動しました。
next records
〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町11-11
柳光ビル本館2階
03-5428-3501
――ついに来ましたよ、社長。世界最大級のバイナル鉱脈を擁する渋谷です。ちなみにここは12インチシングルの専門店ですね。
そう、この店が扱ってるのはシングル盤のみなんです。
――膨大な数のレコードが整然と並ぶ、このレイアウト。ワクワクしますねぇ。掘り甲斐がある、っていうのも然ることながら「え!? この曲って、シングル盤が存在するんだ!!」っていう驚きも体験できる、これはもう12インチシングルの桃源郷。ヴァイナル・アミューズメント・パークと言っても過言ではない 。
それは言い過ぎですね。
――すいません、つい興奮して。
ここでシングル盤1枚を買い足し、計6枚に。現時点の残金は6800円。そして徒歩5分、次の店へ移動しました。
NOTHIN’BUT RECORDS
〒150-0041
東京都渋谷区神南1-11-5
ダイネス壱番館渋谷901
03-3477-0040
――やってきました。ここは渋谷のNOTHIN’BUT RECORDSです。
あれ? ドアが開かない。定休日なのかな?
――うーん、時間が早すぎたみたいですね。残念。ここは僕も大好きな店なんですけどね。アットホームな雰囲気で。
そう、たまにビールとか飲みながらね。
――気づくと夜中になってて、そのままレコード持ってクラブに行く、みたいなパターンですよね。
ああ、それは “ナッシン・バットあるある” ですよね。
――あと、なぜかエレベータで妖艶なお姉さんと乗り合わせることが多いですよね。
それも “ナッシン・バットあるある” ね。あの現象は“渋谷レコード珍百景”の一つに数えられています。
――ははは。まあ、ここで詳しい話はしませんが。
とりあえず、近所のHMVに行ってみましょうか。制限時間的にも、もう最後かなぁ……。
※
というわけで、残金は現在も6800円。残り時間は40分という状況で入店。店内を時間いっぱい探索し、数枚の購入候補盤を手にした社長。いよいよ、ラストスパート・ディギン。
HMV record shop Shibuya
〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町36-2
ノア渋谷1F/2F
03-5784-1390