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Look Back at 2016
2016年、ジャズシーンが非常に面白かった。ロバート・グラスパー、ノラ・ジョーンズ、上原ひろみザ・トリオ・プロジェクトなど、国内外のトップジャズアーティストの新譜リリースが相次ぐ一方、WONK、TRI4TH、ADAM at、Schroeder-Headzなど、新たなJ-JAZZシーンの広がりを感じさせる作品もリリースされた。さらにはビル・エヴァンスの新作リリースにジャズリスナーは歓喜し、マイルス・デイヴィス、ジャコ・パストリアス、チェット・ベイカーなど、ジャズジャイアンツの生き様が映画となり、新たなファンを産んでいる。過去~現在~未来を繋ぐ、今、最も面白いジャンル。それが“JAZZ”です。
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- WONK
- Sphere
まずジャケットが良い。音が良い。曲が良い。演奏が良い。アルバムのどこをどう切り取っても、単純に「カッコいい」と言えるのが素晴らしい。WONKという稀有な才能を持つバンドが東京から全国へ、そして世界へ発信するファーストアルバム。『Wax Poetics Japan』誌も絶賛した世界水準のサウンドは、『ロバート・グラスパー、ハイエイタス・カイヨーテへの日本からの回答』と評されるのも納得。独創性の高い音楽性とライブパフォーマンスは圧巻の一言。正直、こんなバンドに出会えるとは思いませんでした。
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- Mammal Hands
- FLOA
「これがたった3人で奏でている音楽なのか?」と疑いたくなるほど、壮大な世界観。ライヒ~ボノボ、ファラオ・サンダース~ザ・シネマティック・オーケストラまで、エレクトロニカ、ポストロック、ジャズ、中近東など、あらゆるジャンルの融合が心地良い。サックス、ピアノ、ドラム/タブラで奏でる叙情的なメロディーは切なくメランコリック。民族音楽にも通ずる独特のリズムは躍動に満ちている。ゴーゴー・ペンギンに続き『哺乳類の手』の名を持つトリオが紡ぐ、UKジャズの未来は明るい!
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- MASSAN×BASHIRY
- 阿吽
ラッパーでありシンガーであるMassan、bohemianvoodooのギタリストBashiry、そんな2人が出会って産まれたデュオの2作目。Massanの歌声は、まるでレコードから流れてくるような独特の肉声感と抜群のフロウで、聴く者の心の琴線に触れる。対しBashiryのギターは歌心に溢れ、ウェス・モンゴメリーやジョージ・ベンソンさながらの味わい深さを内包している。2人の阿吽の呼吸がそのまま音になったような今作も、ジャンルを越えて音楽を愛するひとたちの愛聴盤になっていくことだろう。ジャズはどこまでも自由だ。