投稿日 : 2017.08.25 更新日 : 2020.11.25
【東京・代々木上原/NODE UEHARA】沿線の“人と文化”が交差する開放的なコミュニティスペース
取材・文/富山英三郎 写真/金田大二郎
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「音楽」に深いこだわりを持つ飲食店を紹介する当コーナー。今回は「食と住」が一体となったライフスタイル提案型複合施設『NODE UEHARA(ノード ウエハラ)』を訪問。開放的でおしゃれな1Fのカフェスペースは、金曜の夜にミュージックバーへと変身。また、地下のレストランでも不定期でライブ演奏があるなど、ここは音楽との親和性が高いおしゃれスポットなのです。
憧れの街へと変貌する代々木上原
新宿から小田急線に乗り、急行が最初に停まる駅が代々木上原。渋谷区の西に位置する住宅地として知られる街だが、周辺にはセンスのいいカフェや飲食店、アパレル関係のオフィスなどが点在し、のんびりとオシャレな雰囲気が漂う。例えるなら、東急東横線における中目黒のような存在感だろうか。
そんな話題の駅前に、2015年4月に誕生したライフスタイル提案型の複合施設が『NODE UEHARA』。地下1階はグリル料理をメインにしたレストラン、1階がカフェ&グロサリーショップ。そして2階から4階のフロアは1Rや1LDKを中心とした賃貸住宅となっている。1階は自然光がふんだんに射しこむ設計となっており、広々と開放的な空間。シンプルでモダンなインテリアが配され、昼間は子どもを連れた女性客も多い。一方、夜になると男女のグループや、ひとりパソコンを広げながら仕事を終わらせる人、食事を楽しんだ後の2軒目としてカフェを楽しむ人たちなど、さまざまだ。
「周囲には目立った観光スポットはないのですが、週末になると地元の方だけでなく、インバウンドのお客さまも多く見られます。オープン前から行列になることも多いので、平日に来店されるのがおすすめです」とは、スタッフの日野克則さん。
週末に混雑する理由は定かではないが、店の評判はインスタグラムに上がった写真を通じてクチコミ的に広がっているようだ。『NODE UEHARA』だけでなく、この周辺にはそういったお店が多い。
街と一体化したホームパーティ空間
そんな話を聞くと、音楽とは関係のない“普通のおしゃれスポット”のようにも思えるが、そうではない。毎週金曜の19時になると店内にはDJブースが設置され、幅10メートル近くある路面の窓をすべて開放。店がもうひとつの表情を見せる。
「DJはジャズやブラックミュージックが多いですね。近隣に住まわれている方にジャズ好きの方が多いというのが一番の理由です。また、不定期ですがジャズのライブ演奏もあります」
駅前ということもあり、爆音ではないがそこそこの音量でDJプレイが楽しめるのが魅力。また、ライブは基本的にアコースティクでおこなわれる。
「出演されるのは、近隣に住まわれているアーティストの方を通じて出会った方や、僕が音楽好きということもあって知り合いをブッキングしています。今後もプロの方々だけでなく、最高のアマチュアにこだわっていきたいですね。というのも、大きなホームパーティを開いている感じにしたいんです。近隣の人たちが自然と集まってきて、気づいたら盛り上がっていたみたいな。お客さんが多い少ないではなく、街と一体化したイベントにしていきたい」
通常営業のBGMもセンス抜群
現在、店舗のBGMも担当しているという日野さんは、かつて西麻布のクラブYellowでレギュラーDJだった経歴もあるほど。それだけに、アマチュアとはいえハイレベルなDJやバンドが登場する。
「フードメニューは“TRAIN TO TABLE”をテーマに掲げているんです。これは“沿線(小田急線)のものをみなさんのテーブルに届ける”という意味。音楽においても、沿線などその地域の音楽好きやアーティストたちに参加してほしいと思っています」
通常営業時、日野さんがお店にいる際はスマホを使って1曲ずつ選曲している点も見逃せない。大きくは、ランチタイム、カフェタイム、ディナータイムで曲調を変えながら、その日の気分や天候にも合わせてセレクトしている。そんな細やかな心遣いも手伝って、音楽認識アプリを立ち上げる人や、SNSで「あの曲がかかっていた」などの声が書き込まれることも。
「代々木上原は、最先端の下町ですね。住んでいる方々はここを田舎だと言いますが、アパレル関係や音楽関係の方が多く、皆さん高感度なんです。なので、こちらも常に勉強する姿勢でいないといけない、そういう良い緊張感はありますね」
親子で楽しめるワークショップも開催
現在、備え付けの音響機材はBOSEスピーカーとCD-Jだが、近々レコードプレイヤーも常備する予定だ。
「ターンテーブルが入ったら、子ども向けのDJワークショップとかもやりたいです。昨年のクリスマスに家族で楽しめるイベントをやったら好評だったんですよ。デザート作り体験やお店屋さん体験、ミニ四駆の世界チャンピオンを呼んだイベントなど、いくつかワークショップをやったんです。そういう親子で楽しめる体験型イベントは定期的にやっていきたいですね」
『NODE UEHARA』を運営しているのは、各種施設やホテルなどを企画、設計、運営するUDSという会社。代々木ヴィレッジやCLASKAなどをデザインしたことでも知られ、2019年に銀座でオープンするMUJIホテルも手がけている。まちづくりをテーマに活動することが多く、この施設もまた地域のつながりを大切にすることが大きなコンセプトとなっている。
近年、そういった試みは各地で見られるが、食や住まいだけでなく、ここでは音楽の要素も加わっているのが嬉しいところ。世代を超え、人が集まるところに良い音楽が寄り添っている、それは理想の空間といえるだろう。まずは金曜の夜、軽く一杯のつもりでぶらりお出かけするのをおすすめしたい。
・店舗名/NODE UEHARA
・住所/東京都渋谷区西原3-11-8
・営業時間/1F Cafe Bar&Deli 10:00-23:00 / B1 Grill Bistro “enu” 18:00~23:00(月~金)、10:00~15:00・18:00~23:00(土・日・祝)
・定休日/無休
・電話番号/03-3466-0497
・オフィシャルサイト/http://welcometonode.jp/uehara/
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