投稿日 : 2020.02.19

音楽イベント「ARBAN+TOKYO」第2弾 ─ 銀座が舞台の大人の夜あそび場

東京・銀座のミュージック・ラウンジ「PLUSTOKYO」とARBANの共催イベント「ARBAN+TOKYO(アーバン プラス トーキョー)」。その第2回が、2月12日(水)に開催された。

イベントスペース「PLUSTOKYO」(東京都中央区銀座) を舞台に、ARBANがセレクトした様々なミュージシャンたちがパフォーマンスを披露するこのイベント。今回はどんな内容だったのか。

「キラリトギンザ」12階の大人空間

イベント当日(2月12日)、東京の最高気温は16度。銀座を行き交う人々は薄手のアウターに身を包み、ひと足早く春が来たような気持ちの良い日となった。

会場のPLUSTOKYOは銀座のメインストリート「中央通り」沿いの商業施設「キラリトギンザ」の12階。神秘的な照明が灯るシックなバーと、そこから望める銀座の街並み。そして、ホテルのロビーを思わせるフロア、ステージ背後の大きな富士山の絵が印象的な大人の空間だ。

この日の開場時間は夕方5時。会場にはすでに様々な人々が集っており、みな食事や談笑に興じながらライブのスタートを待っている。

トップバッターMioのパフォーマンス

時間は1830分。シンガーソングライターの Mio のパフォーマンスとともにイベントがスタート。彼女はもともと女子3人のコーラス・グループで活動していたシンガーだが、現在はソロで活動。今回はギターとベースを率いた3人でのパフォーマンスだ。

シンプルな編成でもしっかり聴ける歌唱力、キャッチーな声質とキレイに抜けるハイトーンも心地よく、イベント序盤をしっとりとした歌で温めていく。

この日はカバー曲からスタートし、2曲目以降は彼女のオリジナル曲が展開された。ラストナンバーでは、ゲストの Mizukivo)も登場し、ふたりの共作曲をダブル・ボーカルで披露。若々しくフレッシュなふたりのパフォーマンスが、オープニングを華やかに彩る。

ストレートな想いをぶつけるOmoinotake

Mio のステージが終了すると、DJ Ken Amagaiが登場。ジャズやワールドミュージックをはじめとしたバラエティ豊かなDJプレイで、大人な雰囲気を演出する。前回よりも十分なスペースをとったDJブースも見栄えが良い。

気がつくと会場内の人数も増えている。そんな中、出番より少し早く2番手の Omoinotake(オモイノタケ)がステージに登場。開演前のサウンドチェックに、彼らを目当てに来たであろう人たちは期待感を一層煽られている様子だ。

 時間は20時。いよいよライブがスタート。Omoinotakeは、ボーカル/キーボードの藤井レオとベースの福島智朗、ドラムの冨田洋之進という3人からなるバンドだが、この日はサポートにサックスのレナも加わった4人編成。

力強く躍動するドラムと太くコシのあるベース。ふたりが生み出すグルーヴに色気を加えるサックスの響き。それをまとめる藤井のキーボードとストレートな歌声が、叙情的で極上のポップスネスを生み出す。色濃くみえるブラック・ミュージックの影響とスタジアム・ロックのような壮大さも印象的だ。

劇場アニメ『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』の主題歌にも選ばれた「モラトリアム」といった話題曲も披露される中、ステージ後半の「Never Let You Go」からライブは一気にトップギアへ。

路上やライブハウスを主戦場に場数を踏んできたという彼ら。全霊で自身の“思いの丈”をぶつける姿に、会場は次第に一体となっていった。

新世代の才女、竹内アンナの驚愕パフォーマンス

しばしの合間を置いて、今回のトリを務める竹内アンナが登場。Omoinotakeの熱が冷めやらぬ中、彼女は独りだ。「あのライブの後で不安はないのか」。そんな一抹の思いは、彼女の演奏ですぐにかき消された。

彼女のスタイルはギター&ボーカルの独奏。同時にサンプラーやルーパーといった機材をも操る。しかも、事前に用意した音源に合わせるのではなく、それらの機材をリアルタイムで演奏する高次元なパフォーマンスだ。

現代的なソウル風ポップスに、個性的かつキュートな歌声、時折混ぜる英語&日本語ラップ。そんな彼女のパフォーマンスに会場からも笑顔と歓声がこぼれる。

ギターの腕前もかなりのもの。多彩なコードワークと巧みな指使い、スラップ交じりにハネるグルーヴ、それらをキャッチーなメロディへと落とし込むポップス・センスも抜群。これを21歳という若さでやってしまうのだから恐れ入る。

気づけば会場は今日一番の盛り上がりに。彼女を知る人も知らない人も「タダ者じゃない感」を大いに味わったことだろう。

アコースティックなセットで終始大人の雰囲気に包まれた前回に対し、ポップに躍動する若々しい熱量が印象的だった今回の「ARBAN+TOKYO」。底知れないポテンシャルを秘めた彼ら新世代を観て、邦楽がまた新たなフェーズに入ったことを強く実感させられた。ARBAN+TOKYO」では、今後も多様なゲストを招いて、毎回違った「大人な夜」をお届けする予定だ。