投稿日 : 2020.03.06
デートでも使える 東京のミュージックバー/レコードバー 10選
取材・文/富山英三郎
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デジタル音源にはない、アナログレコードならではの味わいを楽しめるミュージックバー/レコードバーが話題を集めている。それは、古き良き時代を懐かしむ人たち、レコード音源を初体験したい若者たち、ジャズ喫茶を起源とする独自文化を面白がる外国人観光客など、幅広い層が関心を寄せている証拠でもある。そこで今回は、場慣れしていないカップルや、レコード音質に興味のある若者たちでも気軽に来店できるミュージックバーをセレクト。あくまでもバーなので大騒ぎはNGだが、フツーにしていれば誰もが緊張せずに楽しむことができるお店ばかりだ。
東京・渋谷カルチャーの発信基地にオープン
『QUATTRO LABO』(渋谷)
かつて吉祥寺にあった、レコードをハイエンドオーディオで楽しめるカフェ&バー『クアトロラボ』が、渋谷パルコのリニューアルを機にB1フロアに復活。店内は2面のカウンター計13席と、テーブルは計20席。昼間はカフェ営業、夜はバーになる。約4000枚を擁するレコードは、60~70年代のロックを中心に、ソウル、ジャズ、ルーツミュージック、和モノ、コンテンポラリーと幅広く揃う。客層は若者から年配まで幅広く、男女比もほぼ同じ。メインスピーカーはHaruo Nomuraのハンドメイド、ミキサーはALPHA RECORDING SYSTEMのロータリーミキサー、アンプル類はマッキントッシュというこだわりの音響は、おしゃべりの邪魔をしないまろやかなサウンドを目指したとか。
不定期でのイベントに加え、毎週水曜はジョージ・カックル(ラジオパーソナリティ)、月2回金曜日には山名昇(DJ・文筆家)がセレクターとして来店。4月からは毎月第3木曜に大塚広子をレジテントDJとするイベントもスタートする。
・住所 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ B1F
・営業時間 11:00〜17:00(カフェ)、18:00〜26:00(バー) ※新型コロナウィルス対策のため、2020年3/3(火)〜15(日)まで11:00〜23:30の営業
・電話番号 03-6455-3001
・オフィシャルサイト https://quattrolabo.com/
ジャズが似合う、下北沢の新しい隠れ家
『NO ROOM FOR SQUARES』(下北沢)
2019年9月、下北沢にオープンした雰囲気のいいカフェ&バー。1920年代の禁酒法時代にインスパイアされたというだけあり、入り口のドアはヴィンテージなコカ・コーラの自販機が使われていてワクワク心を刺激する。店内は薄暗く、ダークトーンのウッドとスチールで満たされた大人の雰囲気。
カウンター席のみならずテーブル席もあり、毎週土曜はライブがおこなわれている。音楽は1950~70年代のモダンジャズを中心に、現代のジャズもかかかるのが特徴。店主がジャズプレイヤーだけに選曲の良さは間違いなし。ちなみに、店名の「NO ROOM FOR SQUARES」はテナー・サックス奏者のハンク・モブレーの楽曲から引用しており、「お堅いやつはお断り」という意味。
昼間はカフェ利用できる気軽さに加え、夜は腕利きのバーテンダーを擁しているので、お酒のクオリティが高いのもポイント。メニュー表がないのでバーに不慣れな人は緊張してしまうかもしれないが、好みを伝えれば優しくアテンドしてくれる。
・住所 東京都世田谷区北沢2-1-7 ハウジング北沢ビルII 4F
・営業時間 カフェ14:00〜18:00(木曜休み)、バー18:00〜26:00(日曜は23:00迄)、ライブ毎週土曜19:00〜(日曜は不定期開催)
・定休日 不定休
・電話番号 03–6450-7371
・オフィシャルサイト http://www.nrfsbar.com
ラウンジのような空間で、ジャンルレスな名盤を味わう
『GINZA MUSIC BAR』(銀座)
音楽プロデューサーの小林武史、大沢伸一、コーヒープロデューサーの鳥羽伸博が手がける銀座のミュージックバー。店内はブルーと明るいウッドの美しいコントラストが特徴となっており、スタイリッシュなホテルのラウンジのような空間。約3000枚が収納されたレコード棚には、ロック、ジャズ、ソウル、ディスコ、ニューウェーブの名盤から、現代音楽や映画音楽まで幅広いジャンルのグッドミュージックが鎮座する。それらを専属のセレクターが、その日の気分や客層を見ながら選曲していく。
音響にもこだわっており、スピーカーにタンノイのウェストミンスターを使用している点も見逃せない。長時間聴いていても疲れにくく、音が良いとココロもリラックスできることが発見できるだろう。ゆえに、来店した際にはスマホを一時的に忘れ、音楽に浸るか、一緒に来た彼女や仲間、偶然居合わせた人たちとの会話を優先したい。そういったサロン的な利用が似合うというのも銀座ならでは。しかし、だからとって堅苦しいスペースではないので、気軽に足を運んでみてほしい。
・住所 東京都中央区銀座7-8-13 ブラウンプレイス4F
・営業時間 平日、土曜日 18:00-28:00
・定休日 日曜・祝日
・電話番号 03-3572-3666(受付16:00~)
・オフィシャルサイト http://www.ginzamusicbar.com/
山手線を見下ろす、都会的なオーセンティックバー
『MUSIC BAR berkana』(恵比寿)
恵比寿ガーデンプレイスの横丁『BRICK END』内にある大人な雰囲気のバー。とはいえ、外から店内の様子が見えるため緊張せずに入店することができる。一枚板の長いカウンターに座ると見えるのは半円状の窓。外にはJR山手線が走っているのが見える。「廃工場の跡地を買い取ってバーにしたようなイメージ」という内装は重厚感があり、落ち着いた空気が流れている。仕事帰りの女性がひとりで飲んでいたり、旧知の仲間と過ごしている男性チームがいたりと、それぞれが自由に過ごしているのが魅力だ。美味しいカクテルのみならず、常時8種類のクラフトビールが飲めるという点もいい。
音楽はレコードを中心に、ビル・エヴァンス、チェット・ベイカー、マイルス・デイヴィス、コルトレーンといったトラディショナルなジャズや、シティポップ、新譜も様々なジャンルでかかる。アンプはマッキントッシュのMC2200/C2102、スピーカーはタンノイのアーデンMk.Ⅱ、ミキサーはE&S DJR400。
・住所/東京都目黒区三田 1-13-4 恵比寿ガーデンプレイス ブリックエンド
・営業時間/17:00~26:00(土日は15:00〜)
・定休日/無休
・電話番号/03-6277-3786
・オフィシャルサイト/http://www.ordinary-inc.jp/berkana/
上質なワインを味わいながら音楽に浸れる店
『epulor』(中目黒)
中目黒の静かな路地に佇むカフェ&ワインバー。無機質でミニマムな店内は、デートにも最適なおしゃれな空間となっている。夜までやっているお店が周囲にないこともあり、そこだけが浮かび上がるようなロケーション。ゆえに不慣れな人は緊張してしまうかもしれないが、足を踏み入れてしまえばすぐにリラックスできる。各種アルコールが取り揃えられているが、おすすめは赤・白各2~3種類用意された本日のグラスワイン。
レコードラックには、ジャズ系、ロック系、テクノ・アンビエント系がそれぞれ1/3ずつ用意され、その日の気分や客層に合わせて選曲されていく。音響は、タンノイのスピーカーに、ラックスマンのトランジスタアンプと上杉研究所の真空管アンプ。ターンテーブルはデノンを備え、昼間のカフェ営業時からレコードオンリーで鳴らしている。
・住所 東京都目黒区青葉台1-19-10 エスセナーリオ青葉台 1F
・営業時間 11:00~18:00(カフェ)、18:00~24:00(バー)
・定休日 月曜 ※花見シーズンの3月は無休
・電話番号 080-8053-1067
・オフィシャルサイト https://epulor.jp/
街の喧騒とかけ離れた、ホッとできる空間
『Bar Music』(渋谷)
DJ、オーガナイザー、コーディネーター、音楽ライターと幅広く活躍する店主によるミュージックバー。店内はウッディでセンスのいいインテリアと間接照明が融合する、温かみのある空間。それだけにカップルでの来店はもちろん、ひとりでふらりと出向いても居心地がいい。お酒や軽食も美味だが、店主の実家が自家焙煎の喫茶店ということもあり、ハンドドリップによるコーヒーも人気。その他、コーヒーを使ったオリジナルカクテルも楽しめる。
店内にはDJブースがあり、週に2~3日はDJがプレイしている。しかし、選曲を重視したBGM的な趣向となっており、クラブのような雰囲気にならないのがポイント。グッドミュージックとしかいいようがない、世界各国の音楽が流れ、その一部は店内でも販売されている。
・住所 東京都渋谷区道玄坂1-6-7 5F
・営業時間 19:00~Midnight(日曜のみ17:00~24:00、金曜は翌早朝まで)
・定休日 不定休
・電話番号 03-6416-3307
・オフィシャルサイト http://barmusic-coffee.blogspot.jp/
レコードを掘る楽しさが味わえるミュージックバー
『RECORD BAR analog』(渋谷)
渋谷百軒店の雑居ビル3Fにある、スナックのようなテーブル配置のミュージックバー。中央にレコードラックがあり、お客さん自らがリクエストしたい曲を選ぶことができる。主なジャンルは、R&B、ネオソウル、シティポップ、世界のポップスの4カテゴリー。人気は、宇多田ヒカル、MISIA、ACOといった00年前後の日本のR&Bやシティポップ。選んだレコードをDJブースに持っていくと、曲の流れを踏まえた適切なタイミングでかけてくれる。
なお、混雑時のリクエストははひとり一曲。DJ MIXはしないスタイルで、あくまでも一曲をじっくり味わうスタイル。カウンター席もあるが、彼女や仲間とテーブル席で楽しむのがおすすめ。
・住所 東京都渋谷区道玄坂2-20-9 柳光ビル3F
・営業時間 20:00~27:00
・定休日 不定休
・電話番号 03-6416-1228
・オフィシャルサイト https://analog-recordbar.com/
ジャンルを超えたグッドミュージックが楽しめるバー
『家鴨社』(神楽坂)
人気の飲食店がひしめく神楽坂にあるミュージックバー。「いい音楽をいいオーディオで聴きながら、いいお酒が飲めたら」というコンセプトで生まれており、店内はゆっくりと落ち着ける雰囲気となっている。本が読める程度の明るさになっているのもポイント。音楽はジャズ、J-POP、ロックを中心とした選曲で、すべてレコードで流れる。リクエストは受け付けておらず、当日の気分やトピックをもとにセレクトされる。
店主はバーテンダーとして複数のお店で修行してきただけに、美味しいお酒が飲めるのも人気の秘密。ちなみに、家鴨社の名は小沢健二の小説『うさぎ!』に出てくる「珈琲と本・あひる社」から名付けられている。
・住所 東京都新宿区神楽坂5-26 カグラザカ5 2階左奥
・営業時間 17:00~27:00(月曜~金曜)、15:00~23:00(土曜)※臨時休業や営業時間の変更はFacebookにて
・定休日 日曜、祝日
・電話番号 03-3260-0125
・オフィシャルサイト https://www.ahiru-sha.com/
レコードの魅力を気軽に楽しめるカフェ&バー
『BLOODY ANGLE DOUGEN TONG』(渋谷)
2020年2月、渋谷の道玄坂にオープンしたばかりの『BLOODY ANGLE』の2号店。京都出身のラッパーであり、レーベルオーナーであり、人気ラッパーのANARCHYを見いだしたことでも知られるRYUZO氏が手がけている。
午前11時から午後8時までのカフェタイムは、ホットサンドやナポリタンなどが楽しめる古き良き純喫茶スタイル。午後8時から深夜3時まではアルコールを中心としたメニューに切り替わり、ソウルやファンク、ジャズ、シティポップなどがかかるレコードバーに変身。ネオン管の装飾がアクセントになった新感覚ダイナーのような内装で、気軽に立ち寄れる雰囲気が魅力。なお、店内では中古レコードやオリジナルグッズの販売もおこなわれている。
・住所 東京都渋谷区道玄坂2-15-1 ノア道玄坂ビルB1
・営業時間 11:00~27:00(11:00~20:00/カフェタイム、20:00~27:00/バータイム)
・定休日 不定休
・電話番号 03-6712-7717
・オフィシャルサイト https://www.instagram.com/bloodyangledougentong/
1960〜80年代のロックを中心にモノラルで聴かせるバー
『record bar 33 1/3rpm』(渋谷)
1960年代から1980年代までのロックを中心に、ポップ、60年代R&B、ソウル、ジャズ、映画音楽などが流れるレコードバー。60年代のモノラル盤をかけることが多く、すべての楽曲は音の奥行きが増すモノラル再生でプレイされる。しかも、場の空気やお客さんの雰囲気を見ながら1曲単位で選曲していくので、居心地のいい雰囲気が生まれやすいのが同店の特徴。
客層はじっくりと音楽を楽しみにくる40〜60代が中心だが、渋谷という土地柄もあり若者や外国人観光客の姿もよく見かける。このお店で初めてレコードの音を聴いたという人も。店内は明るめで、テーブル席もあるため、音楽好きな仲間同士やカップルでも気軽に立ち寄ることができる。初心者から玄人まで満足度の高いお店のひとつ。
・住所 東京都渋谷区道玄坂1-6-2 渋谷Five BLD. by COAST B1F
・営業時間 18:00〜25:00(入店は24:00迄)
・定休日 日曜・祝日
・電話番号 03-3700-0199
・オフィシャルサイト https://www.33-1-3rpm.com/