米アルト・サックス奏者のリー・コニッツが、現地時間4月15日(水)にニューヨークの病院で亡くなった。92歳だった。彼の息子ジョシュによると、死因は新型コロナウイルスによる肺炎だったという。
アルト・サックスの名手として知られたリー・コニッツ。70年以上におよぶキャリアの中で、ビル・エヴァンス、マックス・ローチ、チャールズ・ミンガス、アート・ペッパーなど、数々の巨匠たちと演奏をともにした。
また、1949年〜1950年に録音され、のちに発売されたマイルス・デイビス・ノネット(九重奏団)の名盤『クールの誕生』(1957年)にもメンバーとして参加。同作のメンバーで“現存する最後のひとり”としても知られていた。
自身も、アトランティック、プレスティッジ、ポリドール、ヴァーヴといった名門レーベルに数々の作品を残し、1989年のソロ・アルバム『Lee Konitz In Rio』は、ビルボード誌のコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで22位にランクイン。
近年では、米ジャズ界最高のアワードのひとつ「NEAジャズマスターズ賞 2009」の受賞をはじめ、2010年の米ジャズ誌『ダウンビート』の読者投票「アルト・サックス部門」、2013年のドイツのジャズ賞「German Jazz Prize」などを受賞している。
82歳のときに米NPRがおこなったインタビューで、リー・コニッツは自らのキャリアをこう振り返っている。
「そうだな、私は可能な限り控えめだった。大金や大きなレコード・セールスにも無頓着だった。だからこそ、古株として動き回ることができたし、周りからも敬意を払われ、演奏する機会ももらえたんだ。It’s great!」