ARBAN

米ジャズドラマーのジミー・コブが死去

モード・ジャズの歴史的名盤『カインド・オブ・ブルー(Kind Of Blue)』のレコーディングに参加した米ジャズドラマー、ジミー・コブが5月24日、肺がんのためニューヨーク・マンハッタンの自宅で亡くなった。91歳だった。

『カインド・オブ・ブルー』最後の生き残りメンバー

1929年、首都ワシントン生まれ。学生時代にドラムを始め、ビリー・ホリデイや、チャーリー・パーカーらと共演。50年代後半にマイルス・デイビスのバンドに参加し、『アット・ニューポート1958(At Newport 1958)』『ポーギー&ベス(Porgy And Bess)』『ジャズ・アット・ザ・プラザ(Jazz At The Plaza)』『スケッチ・オブ・スペイン(Sketches Of Spain)』『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム(Someday My Prince Will Come)』『アット・カーネギー・ホール(At Carnegie Hall)』などで演奏した。

 

なかでも59年に発表された『カインド・オブ・ブルー』は「歴代最も売れたジャズ・アルバム」として知られ、デイビスの代表作の1枚に。当時レコーディングに参加したデイビスや、キャノンボール・アダレイ、ジョン・コルトレーン、ビル・エバンス、ウィンストン・ケリーはいずれも亡くなっており、アルバムの発売60周年の2019年には、「参加ミュージシャンの唯一の生き残り」としてコブの存在に注目が集まった。

ウェス・モンゴメリーの『フル・ハウス(Full House)』や、コルトレーンの『ジャイアント・ステップス(Giant Steps)』などにも参加したほか、ディジー・ガレスピーやサラ・ボーン、スタン・ゲッツ、ウェイン・ショーターらと共演。若手ミュージシャンの指導・育成にも力を入れ、ロイ・ハーグローヴ、クリスチャン・マクブライド、ブラッド・メルドーらを育てた。2017年のジャズ・フェスティバルに参加するなど80代後半まで演奏を続けた。

ARBANオリジナルサイトへ
モバイルバージョンを終了