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休日、ゆったりとした気分で音楽を楽しみたい。そこに合わせる素敵な一杯とは? そんな音楽とお酒のマリアージュを楽しむ連載。第13回目は、「ひとつの料理、ひとつのワイン、ひとつの音楽」をコンセプトに、完璧なキュレーションで提供するコンセプチュアルなレストラン『OUT』のセーラ・クレイゴさんにセレクトしていただきました。
ちなみに、このお店の「ひとつの料理」とは、新鮮なトリュフを5グラムも使ったフレッシュ・パスタ。「ひとつのワイン」はそれに合わせた極上の赤ワイン。そして「ひとつの音楽」とはアナログ・レコードで流れるレッド・ツェッペリンなのです。
フレッシュな北海道の自然派スパークリング・ワイン
セレクション・マルメガネ
キュヴェ S 2019(白泡)
休みなく働いているので、休日というのがほとんどないのですが(笑)。でも、夏の休日をイメージしたときに真っ先に思いついたのが、このペットナット(自然派スパーリング・ワイン)でした。とてもフレッシュでフルーティな味わいなので、仲間と公園でのんびり楽しく飲みたい一本です。ジュースのような感覚でぐびぐび飲めるので、つい酔っ払ってしまいます(笑)。でも、すっきりしていて優しい味わいで、暑い夏でもさらっと楽しめて気に入っています。
じつはこのスパーリング、北海道の余市町でつくられているんです。そのことを伝えると、お客さんはとても驚いてくれます。製法としては、自然派ワインなので発酵終了後に瓶内⼆次発酵。市販もされていますが、生産本数が約1000本と少量なので購入するのは少し難しいかもしれません。なので、見つけたら試しに買ってみるのがおすすめです。
サンバな曲調が新鮮な、アップリフティングな楽曲
レッド・ツェッペリン
「フール・イン・ザ・レイン」
爽やかな、丸メガネのスパークリング・ワインと合わせたいのは、お店で毎日聴いているレッド・ツェッペリン。そのなかでも、私が一番好きな「フール・イン・ザ・レイン(Fool in the Rain)」です。途中からサンバのような曲調に変化するアップテンポな曲で、多くの人がイメージするツェッペリンとは違うかもしれません。お店では閉店時にかけることが多いです。
男の子が女の子に会いに行く歌詞ですが、彼女が待ち合わせに来なかったのは、自分が場所を間違えたからというちょっぴりユニークな内容。なので、「レイン」という言葉がタイトルに使われていても湿っぽい雰囲気ではなく、明るい曲です。
イージーに楽しめる、夏の休日のマリアージュ
マリアージュ・ポイントは、『キュヴェ S 2019(白泡)』も「フール・イン・ザ・レイン」もハッピーで元気になれて、どこか温かみを感じられるところ。アップリフティングな楽曲は、ワインの泡のよう。どちらも、難しいことを考えずにeasyに楽しめます。
ちなみに、「フール・イン・ザ・レイン」が収録されているアルバム『イン・スルー・ジ・アウト・ドア(In Through the Out Door)』は、最後から数えて2枚目となる作品。タイトルには、「出口(終わり)の扉からあえて中に入る」、転じて「終わった状態から中に入る」という意味があって、このレストランも一般的なスタイルではないので「今までと違ったことをする」という点で共通しているんです。じつは、『OUT』という店名はこのアルバムからとったんですよ。
セーラ・クレイゴ | Sarah Crago
『OUT』のオーナー兼マネージング・ディレクター。2014年、イタリアの食科学大学の⾷⽂化およびコミュニケーションにおいて修⼠課程を修了。芸術学と経営学の学位を持ち、10 年以上に及ぶマーケティングの実務経験も活かしながら、ミシュラン星付きのシェフであるスカイ・ギンジェルとともにロンドン中⼼部でレストラン『Spring』を開店。現在は東京に住みながら『OUT』を切り盛りしつつ、『ジャパン・タイムズ』や『タイムアウト東京』、『メトロポリス』などにコラムや記事を寄稿。コンサルタントやジャーナリストとしても活躍している。
・店舗名/アウト
・住所/東京都渋谷区渋谷2-7-14 Vort青山103
・営業時間/18:00~22:00(火曜~土曜)、11:00~14:30(日曜 ※トリュフを使ったサンデーブランチ)
・定休日/月曜
・インスタグラム/https://www.instagram.com/outrestaurant/
・ フェイスブック/https://www.facebook.com/outrestaurant/
・オフィシャルサイト/http://www.out.restaurant/