投稿日 : 2020.08.24
スティーヴ ・グロスマン死去 ─エレクトリック・マイルス支えたポスト・コルトレーン
米ジャズ・ミュージシャン、スティーヴ・グロスマンが8月13日、ニューヨーク州グレンコーブの病院で亡くなった。69歳だった。死因は心不全。マイルス・デイビスのグループに参加し、ウェイン・ショーターの後任として、エリクトリック・マイルスの初期を支えた。エルヴィン・ジョーンズのグループにも参加、日野皓正、菊池雅章、中村照夫など多くの日本人ミュージシャンとも共演した。
1951年、ニューヨーク・ブルックリン生まれ。子どものころにサックスを習い始め、兄弟と組んだバンドで演奏。ニューヨークのジュリアード音楽院で学んだ。18歳の時、マンハッタンでの演奏を気に入ったマイルス・デイビスにスカウトされた。デイビスは当時、名盤『ビッチェズ・ブリュー』を完成させた直後。グロスマンは60年代中盤からグループを支えたショーターの後任として重責を担った。ショーターは脱退後、ジョー・ザビヌルと新グループ「ウェーザー・リポート」を結成した。
グロスマンがデイビスのグループに在籍したのは70年の1年未満だったが、『ジャック・ジョンソン(A Tribute To Jack Johnson)』『アット・フィルモア(At Fillmore)』『ライブ・イヴル(Live-Evil)』『ゲット・アップ・ウィズ・イット(Get Up With It)』『ビック・ファン(Big Fun)』などの作品に参加した。
その後、ジョン・コルトレーンを長年支えた名ジャズ・ドラマー、エルヴィン・ジョーンズのグループに参加。73年までに在籍し、ポスト・コルトレーン世代の若手として、同じくサックス奏者としてデイブ・リーブマンとともに『エルヴィン・ジョーンズ・ライブ・アット・ザ・ライトハウス(Elvin Jones Live At The LIghthouse)』などの作品を残した。
『サム・シェイプス・トゥ・カム(Some Shapes To Come)』『テラ・ファーマ(Terra Firma)』などたくさんのリーダー作品を発表したほか、75年には、ドラマー/パーカッショニストのドン・アライアス、ベーシストのジーン・パーラと結成した『ストーン・アライアンス』で活動。日本で何度も来日公演を行った。