投稿日 : 2020.09.09

【熊川みゆインタビュー】“民謡と三味線”で培った力を“ポップソングとギター”に変換─ 躍進中の19歳シンガーソングライター

Music

取材・文／村尾泰郎

19歳のシンガー・ソングライター、熊川みゆ。地元・熊本で子供の頃から民謡を唄い、全国大会に出場するほどの喉を持っていた彼女は、やがてポップスに目覚め、ギターを持って歌い始める。今も少女のようなあどけなさを残しながら、歌のうまさは際立っていてそのギャップも魅力的。民謡やポップス、フォークなど、ジャンルを超えて聴く者の心を揺さぶる歌声は今も成長中だ。

カバー曲でコードを習得
携帯アプリで作曲も

──子供の頃、なぜ民謡を歌おうと思ったのですか？

韓国ドラマが好きで、幼稚園の時に韓国ドラマの主題歌を歌っていたら、演歌が大好きだったおじいちゃんに「民謡を習ってみないか」って勧められたんです。

それで小１から小６まで民謡をやりました。大会に出場して歌を競ったりするんですけど、奥が深くて難しいジャンルでしたね。でも、自分はステージの上で歌うことが好きなんだということがわかったんです。

──自分で曲を書くようになったのはいつ頃から？

小６です。民謡をやめて自分でポップスの曲を作って歌いたいと思うようになったんです。それでギターを買ってもらって、いろんな曲をカバーしてコードを覚えていきました。三味線をやってたので、弦を指で押さえるのは意外とできたんですよ。

──民謡からポップスへ、三味線からギターへ。世界が大きく変わりましたね。

そうですね。それでYUIさんをカバーしたり、夏川りみさんみたいな演歌系の曲も歌ってました。そのうちにギターで曲を作るようになったんですけど、中２の頃から携帯に入っているガレージバンドを使うようになりました。ゲーム感覚で曲を作ってましたね。作った曲が溜まっていくのが楽しかった（笑）。

──曲作りはメロディーが先ですか？

最初はメロディーだけでした。自分の気持ちを言葉にして歌詞を書くことが恥ずかしかったんです。中３の時から「このメロディーだったら、どんな登場人物が合うだろう」って考えながら歌詞も書くようになって。子供の頃からお話を考えるのは大好きだったから、物語みたいな歌詞にしようと思ったんです。

カラオケで試行錯誤

──民謡とポップスでは歌い方が違いますが、今の歌唱スタイルはどうやって見つけたんですか？

中学の時に結構悩んだんですよ。民謡の歌い方は “ひとつの型” を究めていくんですけど、それだとポップスを歌うには不便で。声を高く張り上げる民謡風の歌い方が、耳に心地よくないって言われたこともあって、どういう声の出し方をすればいいんだろ…ってカラオケに通って考えたんです。

──カラオケで特訓したの？

ただ行きたかっただけ、ですけど（笑）。当時は絢香さんの表現力がすごいと思って聴いてました。

──今の熊川さんの歌い方は、エド・シーランやテイラー・スウィフトを思わせるところもありますよ。

中学の頃に洋楽も聴き始めたんですけど、カントリー系の音楽が好きで。曲を作る時は、ギターを弾いて歌う洋楽のシンガーに影響を受けていますね。

2020年8月20日、ライブ配信イベント「MUSIC GATE」に出演した熊川みゆ。同イベントは8月19日、20日の２日間で実施され計６組が出演した。次回は9月20日（日）、21日（月・祝）、22日（火・祝）に開催決定。出演者ほか聴取方法はMUSIC GATE サイトにて。

──今は東京を拠点に音楽活動をされていますが、東京の生活はどうですか？

毎日が刺激的です。東京に来てからは音楽が生活の中心になりました。いろんなライブに出演させて頂いて、すごい方々と共演させて頂くなかで、「これから自分はどういう風に音楽をやっていきたいんだろう」って考えたりして。これまで以上に音楽に向き合えるようになった気がします。

──今後やってみたいことは何かありますか？

ギターをもっと弾けるようになりたいです。これまではすっとアコギだったんですけど、エレキも弾いてみたいです。かっこいいじゃないですか。いまステイホームで家にいることが多いので、エレキギターを練習したりもしているんです。これからどんどん良い音楽を作って歌っていきたいと思っています。

熊川みゆ
2001年2月4日生まれ。熊本県出身。幼少期から民謡を歌い始め、全国大会出場を果たす。中学生の頃からスマートフォンのアプリで、オリジナル曲の制作を開始。熊本を中心にライブ活動もスタートし、地元のTVやラジオ番組などで取り上げられる。2018年4月にはフジテレビ主催の「めざましLIVE COUNTRY2018 IN YATSUSIRO」のオープニングアクトとして出演。
2018年11月から5か⽉連続で新曲をリリース。J-WAVEやFM802等でオンエアーされ、2019年3月に両国国技館で行われたJ-WAVE主催「トーキョーギタージャンボリー」に出演。 5月には「オールナイトニッポンZERO」のパーソナリティーに抜擢され、FUJI ROCK FESTIVAL2019、BAYCAMP2019、SLOW LIVE2019などの大型フェスにも出演。

熊川みゆ 公式サイト